中国恒大、利払い期日がまたやってくる

2022/01/21 08:07

ファンダメ・ポイント

【ポイント】
・中国恒大集団は22日に1.2億ドル、24日に2.4億ドルの利払い
・昨年11月以降の利払いは履行されておらず
・債権者グループは強制執行措置を検討
・中国当局はコンテイジョン(危機の伝播)を阻止へ

中国恒大集団(エバーグランデ)の苦境は続いています。昨年11月の米ドル建て債の利払いは30日の猶予期間が経過しても履行されず、12月の利払いも期日に履行されませんでした。

恒大集団は明日22日に1.2億ドル、週明け24日に2.4億ドルの利払い期日を迎えますが、利払い履行の見通しは立っていないようです。

中国恒大 利払いスケジュール

恒大集団は、資産売却などによって債務リストラ(再編)を進めようとしていますが、必ずしも順調ではないようです。Bloombergによれば、昨年末には恒大集団が中国のハワイと呼ばれる海南島で完成間近の集合住宅39棟に解体命令が出されました(根拠は違法建築とのこと)。その他にも、恒大集団が保有する不動産や土地を巡って行政命令が相次いでいるとのことです。

20日には、海外投資家を含む債権者グループが、強制執行措置を検討すると表明しました。恒大集団の債務リストラの取り組みが不十分で意思決定が不透明だとして不信感を募らせているようです。

中国当局は不動産危機の封じ込めに向け、国有不動産開発会社に対して資金難の企業との統合や買収を要請しているようです。また、金融機関に対して不動産融資を拡大するよう促しているとの報道もあります。中国当局はこれまでの不動産バブル潰しから姿勢を大きく転換しているようです。

一方で、多くの不動産開発会社が資金調達に苦しむなか、最大手の碧桂園(カントリー・ガーデン)が資金調達に失敗したとの観測が流れて、同社の株価が先週後半から今週初にかけて一時大きく下落しました(その後に反発)。

中国の不動産危機は今のところ地域や業種が限定された事象のようですが、コンテイジョン(危機の伝播)にならないか、注意しておく必要はありそうです。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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