米議会、シャットダウン回避へ、デットシーリングは?

2021/12/03 07:32

ファンダメ・ポイント

【ポイント】
・2月18日までの継続予算でシャットダウンは回避へ
・ごく短期のシャットダウンが発生する可能性はゼロではない
・議会はBBB法案とデットシーリング引上げに集中

米議会の民主党と共和党の首脳は、3日の継続予算期限切れに対して、新たな継続予算を成立させることで合意しました。新たな継続予算は22年2月18日まで。これにより、シャットダウン(政府機能の一部停止)は回避される見通しです。

新たな継続予算は2日夕に下院で可決されました。一方、上院では一部の共和党議員が反対する姿勢を見せています。反対する議員は、バイデン政権によるワクチン接種義務化の取り下げを継続予算に盛り込もうとしているようです。彼らの採決妨害によってごく短期的にシャットダウンが発生する可能性はゼロではなさそうです。もっとも、その場合でも市場は冷静に反応しそうです(現地4日午前0時に間に合わなくても、市場が開く6日までには上院でも可決が見込まれるため)。

22年2月18日までの継続予算が成立すれば、議会はBBB(ビルドバックベター)法案の審議に集中することができそうです。また、早ければ12月15日、そうでなくとも年内に限界がくるとされるデットシーリング(債務上限)の引き上げも、BBB法案に盛り込まれて成立する可能性が高そうです。BBB法案は22年度予算の調整法案として審議されているため、上院でもフィリバスター(◆キーワード)が使えず、民主党単独で可決することが可能だからです。ただし、共和党の協力が一切期待できない以上、上院の民主党議員50人と副大統領(=上院議長)の全員の賛成が必要になります。

今後、BBB法案とデットシーリング引上げがどういった形でいつ成立するのか、引き続き注目です。

◆キーワード
フィリバスター:
少数政党による採決妨害戦術。上院では法案の審議時間に制限がないため、一部の議員が延々と演説を続けることで採決を妨害することができる。下院にはこの制度はない。現在は実際に演説をせずにフィリバスターと宣言する。審議を打ち切って採決に持ち込むためには、スーパーマジョリティ(100議席中の60議席以上)の賛成が必要。予算調整法案など一部の法案にはフィリバスターは使えない。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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