今週の注目ポイント:オミクロン株、OPECプラス、米雇用統計

2021/11/29 07:27

ファンダメ・ポイント

【ポイント】
・オミクロン株の感染拡大はリスクオフ要因
・パウエル議長は金融政策に関して言及するか
・トルコCPIは上振れしそう。TCMBの対応は?
・米雇用統計はNFP40万人が目安
・米継続予算の期限到来、追加措置がなければシャットダウン

先週末の市場を揺るがせた新型コロナウイルスのオミクロン株。急速に感染が広がっている模様ですが、感染力や毒性など未知の部分も多く、どのような展開となるのか不透明です。先週は感謝祭などで流動性が低下していたとみられ(≒材料の消化不良)、週明けアジア時間から市場が再び大きく動く可能性があります。

経済カレンダー

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米国では26日のブラックフライデーを皮切りに、クリスマス商戦が本格化します。27日のスモールビジネスサタデー、29日のサイバーマンデーなども含めた速報に注目です。ブラックフライデーの売り上げは前年比で大幅増ですが、例年を下回った模様。小売業者が早めからセールを開始して客足を分散させた結果との指摘もあります。

30日と翌12月1日には、パウエルFRB議長とイエレン財務長官が議会の公聴会で証言します。新型コロナに対する昨年来の金融政策と財政政策の報告が主題。ただし、バイデン大統領に再指名されたパウエル議長は、今後の金融政策について何らかの発言をするかもしれません。

1日の米ベージュブック(地区連銀経済報告)では、労働力不足が指摘される労働市場や賃金の動向、企業の価格見通しを含めた物価動向などが注目されます。次回FOMC(12/14-15)では、11月に決定したテーパリングのスピードアップが議論される可能性があり、その際の参考資料となります。

2日にはOPECプラス会合が開催されます。原油価格の上昇に対して日米英などが戦略石油備蓄の放出を決定。その後にオミクロン株の確認によって原油(WTI先物)価格は26日に1バレル=60ドル台に急落しており、OPECプラスがどのような判断をするか興味深いところです。

3日、トルコのCPI(消費者物価指数)11月分が発表されます。市場予想は前年比20.70%と10月(19.89%)から加速見通し。トルコリラの急落は今後もトルコのCPIを押し上げる可能性が高そうです。そうしたなか、11月18日の政策会合でTCMB(トルコ中銀)は利下げを決定するとともに、12月会合で利下げ停止を検討すると予告しましたが、市場は懐疑的です。CPIが大きく上昇すれば、再びトルコリラ売りが強まるかもしれません。

同じく3日には米雇用統計11月分が発表されます。10月のNFP(非農業部門雇用者数)は前月比53.1万人増、3カ月平均44.2万人増と堅調でした。毎月40万人増であれば22年中に利上げの前提条件となる完全雇用を達成するとの試算も可能です。時間当たり賃金(10月は前年比4.9%)や失業率(同4.6%)にも要注目。

10月14日付け「米FRB利上げの条件、最大雇用とは?」をご覧ください。

3日には米継続予算の期限が到来します。追加的な予算措置がとられなければ、シャットダウン(政府機能の一部停止)が発生します。短期間のシャットダウンであれば、一般市民は不便を強いられますが、市場への影響は限定的でしょう。

ほぼ同じタイミングで、政府債務がデットシーリング(債務上限)に達するとみられます。「奥の手」を使えば一時的にデフォルト(債務不履行)は回避されますが、12月中旬にも限界がくるとの見方もあります。慌ただしくなるワシントン情勢にも要注目でしょう。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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