【速報】中国恒大アップデート2:債権者と協議へ?

2021/10/22 10:53

ファンダメ・ポイント


22日、中国恒大集団が遅延していた社債の利払いを実施したと、現地メディアが報じました。9月23日が期日だった8,350万ドル分とのこと。これにより明日23日の猶予期間終了を前にデフォルト(債務不履行)は回避される見通し。
ただし、今後も、9月29日が期日だった4,520万ドル、10月11日が期日だった3本分計1.48億ドルの利払いの猶予期間(30日間)が順次期限を迎えます。

Bloombergによれば、21年中に合計約6億ドルの米ドル建て利払いがあり、さらに22年3-4月には計34.5億ドルの社債2本の償還が控えています。事態は引き続き予断を許しません。

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【ポイント】

・中国恒大集団は子会社売却交渉破談で株取引再開
・株価は小幅下落、社債価格は小幅上昇
・23日の利払い猶予期間終了の前後に社債保有者と協議する可能性が浮上
・全面的なデフォルトは回避されるかも
・事態は引き続き流動的で見守る必要あり

21日、香港市場で中国の恒大集団(エバーグランデ)の株取引が再開されました(◆本日のキーワード;中国恒大集団)。株価2.58香港ドルと、取引停止前の2.95香港ドルから12.5%下落して当日の取引を終えました。ただ、取引停止前の最安値(9月21日の2.27香港ドル)には届きませんでした。また、同社の残存期間4年の米ドル建て債の価格は額面100に対して21.47、前日の19.84から小幅上昇しました(それでも利回りは70%を超えていますが・・)。

中国恒大集団の株価

中国恒大集団の社債価格

同社株の取引が再開されたのは、子会社の売却交渉が破談となり、結果が公表されたためです(交渉中は投資家が情報から遮断されていました)。

遅延している米ドル建て債の利払いの猶予期間が10月23日に終了するため、恒大集団は資金の捻出方法を模索していましたが、交渉破談によりますます苦境に立たされることになりそうです。

もっとも、利払いが履行されずに23日の猶予期間が終了しても、恒大集団がデフォルト(債務不履行)と認定されない、あるいは認定されても社債保有者から一斉に返済を求められること(※1)は回避されるかもしれません。

※1 一つの社債でデフォルトすると、同社の発行した他の社債もデフォルト扱いとなり、全ての社債保有者が即座の返済を求めることができるクロス・デフォルト条項が付帯しています。

恒大集団の社債を保有している外国投資家の一部は、猶予期間を過ぎても返済要求の権利行使を留保し、新たな債務計画について恒大集団と協議する意向があるようです。これとは別に、恒大集団は、同社が保証するジャンボ・フォーチュン・エンタープライゼスの社債(※2)について、社債保有者との協議によって3カ月の猶予期間を確保しており、恒大集団が同じような協議に同意する可能性はありそうです。

※2 10月3日に償還を迎えた2.6億ドルの米ドル建て債

もっとも、事態は引き続き流動的であり、進展を見守る必要がありそうです。

※恒大集団については、以下の『ファンダメ・ポイント』で詳しく解説していますのでご覧ください。
中国恒大の破たん危機、中国当局の対応は?(9月21日)
中国恒大がクロスデフォルト?(10月8日)
中国恒大アップデート、運命の23日!?(10月18日)

◆本日のキーワード
中国恒大集団
英名エバーグランデ。中国第2位の不動産関連コングロマリット。負債は3,000億ドル。資金繰りが悪化し、9-10月の米ドル建て債券の利払いを履行せず。経営破たんが懸念される。10月23日までに猶予された利払いを履行しなければ、デフォルト(債務不履行)認定も。苦境の背景に、中国当局が不動産市場の規制を強化したことがあり、他の不動産関連会社も経営は厳しく、金融市場全体への影響も懸念されている。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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