バイデン・プラン実現に向けて、水面下で交渉中!?

2021/10/20 07:57

ファンダメ・ポイント

【ポイント】
・バイデン政権と議会民主党が交渉中
・今週中にも合意に達する可能性あり
・バイデン・プランが実現に向かえば、米ドルにプラスか

継続予算とデットシーリング(債務上限)の小幅引き上げが成立したので、米政府のシャットダウン(一部の機能停止)やデフォルト(債務不履行)のリスクは12月3日前後まで先送りされました。

ただし、バイデン大統領の経済政策(以下、バイデン・プラン)の実現に向けて、インフラ投資法案と包括経済法案(◆本日のキーワード)の交渉は続けられています。いずれも議会民主党単独で成立可能ですが、民主党内で足並みがそろわず、膠着状に陥っています(その意味で共和党は蚊帳の外)。

インフラ投資法案はすでに上院を通過しており、下院が可決すれば成立する見通しです。しかし、下院民主党の進歩派(左派)は包括経済法案と同時でなければ賛成しないとの立場を堅持しています。

包括経済法案は予算調整法案として民主党単独で可決することが可能です。しかし、規模が大きすぎるとして上院民主党の穏健派の中に反対者がいます。予算調整法案として可決するためには、上院の共和党全員が反対しているため、過半数獲得のために上院の民主党全員(プラス副大統領)の賛成が必要です。

バイデン大統領やイエレン財務長官らは19日、下院の進歩派や上院の穏健派を含む民主党議員らと会談。バイデン・プランの実現に向けて協力を要請した模様です。

民主党のシューマー上院院内総務(上院のナンバー1)は、議会民主党が今週末中の合意を目指すとしています。楽観的過ぎるように見えますが、バイデン・プランの実現に向けて前進すれば、米ドルにとって強気材料になるかもしれません。

◆本日のキーワード
インフラ投資法案:
総額約1兆ドル(上乗せ分5,500億ドル)のインフラ投資法案。6月にバイデン大統領と議会超党派グループが合意し、8月に上院が可決。下院が可決してバイデン大統領が署名すれば、成立する。ただし、下院民主党の進歩派(左派)は包括経済法案と同時でなければ賛成しないとの立場。

包括経済法案:
インフラ投資法案と合わせて、バイデン大統領の経済政策(バイデン・プラン)を実現するための法案。総額3.5兆ドルで、ヘルスケアや育児・教育の支援、気候変動対策、それらの財源となる増税などを含む。共和党が協力しないため、民主党は(上院でも民主党単独で可決可能な)予算調整法案として成立を目指す。ただし、そのために2022年度予算やデットシーリング(債務上限)の引き上げも絡んで交渉を複雑・困難にしている。上院民主党議員の一部も、規模が大きすぎるとして反対している。正式名称はなく、メディアでも「・・・・などの包括パッケージ」「バイデン氏の経済課題」など呼び名は様々。

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執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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