米雇用統計、NFPは弱めながらテーパリングへGO!?

2021/10/09 07:22

ファンダメ・ポイント

【ポイント】
・9月雇用統計はNFPが前月比19.4万人増と、市場予想を下振れ
・7-8月分は大幅に上方修正。賃金や失業率は労働市場の堅調を示唆
・市場は11月FOMCでのテーパリング開始の見方を変えず?

米国の9月雇用統計は、NFP(非農業部門雇用者数)が市場予想を大きく下回りました。それでも、時間当たり賃金の加速や失業率の低下を受けて、11月FOMCでテーパリング開始が決定されるとの見方に大きな変化はなかったようです。長期金利は発表直後に低下したもののすぐに反発し、約3カ月ぶりに1.6%を超えました。米ドルも長期金利上昇を受けて対円で112円を超えました。

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9月の米雇用統計は、NFP(非農業部門雇用者数)が前月比19.4万人増と、市場予想(50.0万人増)を大きく下回りました。ただし、7-8月分が計51.1万人上方修正されたため、過去3カ月平均は55.0万人増と比較的堅調でした。

米雇用統計 NFP 非農業部門雇用者数

時間当たり賃金は8月から0.6%上昇、前年比では4.6%上昇と、前月(4.0%)から伸びが加速しました。一部の業種や職種で労働者の確保や新規採用が困難になっていることが、賃金上昇圧力となっているようです。

時間当たり賃金

<雇用者数×週平均労働時間×時間当たり賃金>で求められる総賃金指数は、前月比1.4%増。前年比では9.4%。引き続き力強い消費を支えることが可能なペースでしょう。

総賃金指数

失業率は4.8%と、8月の5.2%から大幅に低下しました。昨年4月のピーク(14.8%)からかなり低下してきました。前回のテーパリング開始を決定した13年12月時点で判明していた同年11月の失業率は6.7%でした。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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