中国恒大がクロスデフォルト?

2021/10/08 08:31

ファンダメ・ポイント

【ポイント】
・中国の恒大集団が保証した社債が償還されず
・恒大集団にクロスデフォルト条項が適用される可能性も
・その他の不動産関連会社のイベントにも注目

中国の恒大集団(エバーグランデ)の動向が引き続き注目されます。8日、中国本土の市場は国慶節明けで1週間ぶりに再開。香港市場は開いていましたが、資産売却に関わる開示待ちで恒大集団の株は取引停止中です。なお、恒大集団の社債は取引されており、残存4年の米ドル建て債利回りは6日に70%を超えました(7日は小幅低下)。

中国恒大集団の社債利回り                                                      

そうしたなか、恒大集団が保証したジャンボ・フォーチュン・エンタープライズの米ドル建て債が、3日(※)に満期を迎えたにもかかわらず償還されなかった模様です。Bloombergによれば、事務手続きの遅延などを考慮して5営業日の猶予が与えられるようです。その場合、週明け11日に償還されなければデフォルト(債務不履行)と認定されるかもしれません。
(※)3日が日曜日だったため、事実上は4日が期限

問題はジャンボ・フォーチュンの社債がデフォルトとなった場合、恒大集団の米ドル建て債にクロスデフォルト条項が適用される可能性があることです。その場合、債権者は満期を待たずに恒大集団に社債の償還を求めることができます。恒大集団は22年だけで74億ドルの社債が満期を迎えます(3月20億ドル、4月14.5億ドルなど)。恒大集団が即時償還の要求に応えるには難しそうです。

また、恒大集団はすでに9月23日に米ドル建て債の利払い(8,350万ドル)を履行しませんでした。それには30日間の猶予期間が設けられているとのことなので、10月23日が運命の日(デフォルト判定)になるかもしれません。Bloombergによれば、9月29日に4,520万ドルの利払い予定がありましたが、履行されなかった可能性が大。さらに10月11日に計1.48億ドルの利払いが予定されているとのこと。

恒大集団が破たんの危機に直面しているため、その他の不動産関連会社の資金繰りも苦しくなっているようです。中国の不動産関連会社の苦境は、リーマンショックのように世界の市場に波及する性質ではないかもしれません。ただ、どのような形で影響が出てくるか、要注意でしょう。以下のイベントが注目されます(出所:Bloomberg)。

・恒大集団:9月23日米ドル建て債の利払い8,520万ドルを履行せず⇒30日間の猶予期間あり
    9月29日4,520億ドルの利払い⇒履行の有無は不明
    10月11日計1.48億ドルの利払い予定
・ジャンボ・フォーチュン:10月4日に米ドル建て債償還せず⇒5営業日の猶予?
・花様年控股集団(ファンタジア):10月4日に米ドル建て債2.06億ドルを償還せず⇒一部デフォルトの判定

・●苑置業(シンユアン・リアルエステート):10月15日に米ドル建て債2.29億ドルを償還予定
     ※●は「金3つ」
・建業地産(セントラル・チャイナ・リアルエステート):11月8日米ドル建て債4.0億ドルを償還予定


執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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