米長期金利との相関を取り戻した米ドル/円

2021/09/28 07:49

ファンダメ・ポイント

【ポイント】
・米長期金利が3カ月ぶりに1.5%超、米ドル/円は一時111円超
・今年1-3月は米ドル/円と長期金利はほぼ連動
・4-6月期は相関が大幅低下、6月は逆相関
・米長期金利1.7%なら米ドル/円は112円も

米ドル/円は27日NY時間に一時111円台をつけました。これは7月上旬以来です。先週のFOMC前後から(英中銀のタカ派姿勢も影響)米長期金利(10年物国債利回り)が目立って上昇しており、米ドル/円の上昇要因となっています。

今年1-5月に両者はほぼ連動。日足の相関係数は0.97と、ほぼ完全な正の相関でした。しかし、6月に相関係数は0.26と両者の相関は崩れ、長期金利が低下する中で、米ドル/円は堅調に推移しました。

そして、7月以降9月27日まで、米ドル/円と長期金利は相関を取り戻したようにみえます。この間の相関係数は0.76なので、1-5月ほどではありません。それでも先週からの米ドル/円の上昇は長期金利の上昇が上手く説明しているようにみえます。

7月以降の米ドル/円と長期金利の関係が今後も続くと仮定すると、長期金利の各水準に対応する米ドル/円の推計値は以下の表の通り。なお、推計式の説明力は決定係数R2(相関係数の2乗)で表わされます。

米長期金利による米ドル/円の推計

長期金利1.5%で米ドル/円は111.06円なので、27日NY時間午後4時の値(111.00円)とほぼ同じです。推計式に従えば、長期金利が1.3%まで低下すれば、米ドル/円は110円割れ、逆に1.7%まで上昇すれば、米ドル/円は112円台に乗せます。今年末時点の長期金利は2.0%とする予想もあるので、2.0%を代入すれば米ドル/円は114円に接近することになります。

FRBをはじめ多くの主要中銀(日銀を除く)が金融政策の正常化を模索しており、いずれ利上げに踏み切ると考えれば、米長期金利にも上昇圧力が加わるとみられるので、その結果として米ドル/円はサポートされそうです。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日のテクニカル・ポイント「米ドル/円、もう一段の上値トライとなるか」をご覧ください。

※昨27日、特別レポート「マネースクエア四季報:2022年3月までの為替相場展望」を配信したので、是非ご覧ください。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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