英CPI加速、BOEは早期利上げも!?

2021/09/16 07:30

ファンダメ・ポイント

【ポイント】
・英国の8月CPIは市場予想以上に加速
・ベース効果だけでなく、物価高止まりの材料も
・QEは終了へ、22年前半中の利上げも

英国の8月CPIは前年比3.2%と、前月(2.0%)から市場予想(2.9%)以上に加速。2,012年3月以来の高い伸びとなりました。エネルギー・食料・酒・タバコを除くCPIコアは3.1%と、こちらも前月(1.8%)から市場予想(2.9%)以上に加速しました。

英国のCPI 消費者物価指数

ちょうど1年前に政府の外食サポート・プログラムによって「レストラン・ホテル」が下落しており、今年8月のCPIはそのベース効果で押し上げられました。ただし、それだけでなく、自動車や娯楽などを中心に広範な価格上昇がみられました。

同時に発表されたPPI(生産者物価)も大幅に上昇、労働市場の堅調もあって、川上の価格上昇圧力は今後も消費者物価を押し上げそうです。BOE(英中銀)はCPIが今年末に4%に達すると予想しており、8月CPIの加速はそれを裏付ける結果でした。

BOEのベイリー総裁は9月8日の議会証言で、8月5日のMPC(金融政策委員会)でメンバー8人のうち総裁を含む4人が利上げの「最低条件」は満たされたと判断したことを明らかにしました。

現在実施しているQE(量的緩和)は今年末で終了見込みです。今後の状況次第ではMPCメンバーの過半数が「十分条件」が満たされたと判断して、22年の早い段階で利上げが実施されるかもしれません。CPI発表後、市場では22年中に2回利上げして、政策金利である銀行レートが現在の0.10%から0.50%に引き上げられるとの見方が優勢になっているようです。

他の主要中銀に先駆けてBOEがQEを終了して利上げに踏み切るとの観測が高まれば、英ポンドのサポート要因となりそうです。

※15日配信のM2TV:マーケットView「ECBとBOE~欧州の中央銀行事情~」も是非ご覧ください。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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