英経済の正常化が進展⁉ 中銀はQEのペースダウンも?

2021/05/05 06:36

ファンダメ・ポイント

英国はワクチン接種が進んでいることもあって、行動制限の解除を4段階で進めています。各段階の解除には最低5週間の間隔を空けています。

3月8日に学校が再開。4月12日には小売店やパブ、ジムなどが再開されました。順調にいけば、5月17日に飲食店等の屋内営業が可能となり、6月21日にはソーシャル・ディスタンスに関する規制も解除される予定です。

行動制限の解除に伴い、英景気の回復基調が強まっています。4月のPMI製造業景況指数は94年7月以来の高水準に達しました。また、消費者信頼感の上昇に伴って3月の小売売上高は前月比5.4%と大幅に増加しました。

6日のBOE(英中銀)のMPC(金融政策委員会)では、2月に続いて発表する経済・物価見通しを上方修正する可能性が高そうです。0.1%の政策金利と8,950億ポンドの債券保有額目標は据え置かれそうです。ただし、現行のQE(量的緩和=債券購入)のペースが続けば、10月末ごろには保有額目標に到達するので、メドとしていた今年末まで続けるためにQEをペースダウンする可能性はありそうです。

債券保有額目標に変更がなければ、4月下旬にBOC(カナダ中銀)が行った債券購入の減額やテーパリング(段階的縮小)とは一線を画します。それでも、QEのペースダウンが発表されれば、市場は金融政策の正常化開始、ひいては利上げの地ならしと受け止める可能性はあるでしょう(英ポンド高要因)。そして、それは同様に景気回復基調が強まっている米国における金融政策の判断にも影響を与えるかもしれません。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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