ユーロ/米ドルは1.20ドルを超えるか

2021/04/19 07:12

ファンダメ・ポイント

4月に入ってユーロ/米ドルが堅調です。1ユーロ=1.20ドルを超えるかが注目されるところです。1ユーロ=1.20ドルは3月上旬以降の上値抵抗線であり、それ以前は下値支持線。また、昨年8月から11月は上値抵抗線として機能した重要な節目です。



ユーロ/米ドルが1.20ドルを超えて上昇するポイントは以下の2つでしょう。

1つめは、米長期金利(10年物国債利回り)の軟調が続くかどうか。ユーロの堅調は米ドルの軟調の裏返しでもあります。4月のユーロ高は、米ドル実効レートの軟調や米長期金利の軟調と軌を一にしています。

先週15日には小売売上高が市場予想を大幅に上回るなど、米経済指標が堅調でしたが、発表直後に米長期金利は低下しました。それまでの上昇ピッチが速かったことの調整、リフレ・トレードの(少なくともいったんの)終了を示唆しました。今週は米長期金利の材料はほとんど予定されていませんが、軟調な基調が続く可能性はありそうです。

2つめは、ECBの金融政策が正常化に向けた準備を始めるかどうか。22日のECB理事会では、金融政策の現状維持が決定されそうです。前回3月の理事会ではPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)による債券購入のペースアップが決定されました。今回はそれを再確認することになりそうです。

サプライズがあるとすれば、PEPPの縮小、いわゆるテーパリングに向けた地ならしが行われる、あるいはそうした見解が表面化する場合(ユーロ高要因)。一方で、「金融条件の引き締まり(≒長期金利の上昇やユーロ高)」に改めて懸念が表明されるようであれば、ユーロ安要因となるかもしれません。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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