ベージュブック、米景気は加速

2021/04/15 07:31

ファンダメ・ポイント

米ベージュブック(地区連銀経済報告)では、「2月下旬から4月上旬にかけて景気は緩やかなペースへと加速した」と総括されました。前回(3/3発表)は「ほとんどの地区で景気がわずかに拡大した」でした。


 出所:米FRB資料

ベージュブックを受けて、米長期金利(10年物国債利回り)は低下、米ドル/円は小幅下落しました。市場は、足もとの景気の強さを認識したうえで、その持続性に対する疑念を拭えないのかもしれません。

本日は、3月の小売売上高や、4月のNY連銀とフィラデルフィア連銀の製造業景況指数が発表されます(いずれも日本時間午後9時30分)。それらも景気回復の強さを示すものとなりそうですが、市場はベージュブックと同様の反応をみせるのか、注目されます。

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ベージュブックで注目されたのは以下の点です。

個人消費は強まった。とりわけ、観光関連が明るかったのは、春休み、行動制限の緩和、ワクチン接種の進展、最近の給付金などが背景とみられる。
半導体の不足で新車在庫が不足気味にもかかわらず、自動車販売は増加した。
・広範なサプライチェーンの障害にもかかわらず、製造活動は拡大し、半分の6地区が「力強い」と評価した。

雇用は、ほとんどの地区で緩やかに増加した。製造業、建設業、娯楽、飲食などでの雇用増加が目立った。賃金上昇率はやや加速。一部の業種では新規の採用が難しくなっており、賃上げや採用一時金などが報告された。

物価上昇率はやや加速。物価上昇率は、多くの地区が緩やかとする一方、いくつかの地区では力強いと報告された。
投入コストが全般に上昇しており、製造業、建設業、小売業、輸送業などで顕著だった。
販売価格も上昇しているが、投入コストの上昇ほどではない。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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