米長期金利を用いたユーロ/米ドルの推計

2021/03/31 08:06

ファンダメ・ポイント

外為市場において、米長期金利(10年物国債利回り)の注目度が非常に高くなっています。30日も米長期金利が一時1.77%とコロナショック後の高値を更新、米ドルの支援材料となりました。

15日付けのファンダメ・ポイントで「米長期金利を用いた米ドル/円の推計」をご紹介したので、今回はユーロ/米ドルを推計してみました。

*****
年初から3月30日までの米長期金利とユーロ/米ドルの相関係数はマイナス0.812。同期間の米長期金利と米ドル/円の相関係数0.966ほど高くはありませんが、かなり強い相関があることが分かります(※)。

(※)ユーロ/米ドルは1ユーロ当り(米ドルが分子)、米ドル/円は1米ドル当り(米ドルが分母)なので、相関係数の正負の符号は逆になります。



米国とドイツの長期金利差を用いると、同期間のユーロ/米ドルとの相関係数はマイナス0.857と米長期金利のみの場合より説明力は高まりますが、便宜上、米長期金利のみを用います。

関係式は以下の通り:

    ユーロ/米ドル=1.2648-0.0045*米長期金利
    相関係数R2=0.66 (期間:21年1月4日~3月30日)

もっとも、この関係式に基づくと30日時点のユーロ/米ドルの推計値は1.1876ドル。また、米長期金利が2%まで上昇した場合の推計値は1.1741ドルです。30日時点の実績値は1.1717ドルなので、米長期金利との関係からみれば、ややユーロ安に振れすぎていると判断できるのかもしれません。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


topへ