エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※5月13日更新

2022/05/13 11:03

宮田エリオット波動レポート(短期アップデート)

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【日経平均】
・経済の正常化期待で日本株も再起動へ?!
・海外投資家は現物を6週連続買い越し
【当面の想定レンジ】 25,500~27,000円

【NYダウ】
・投資家の不安心理は後退しつつある?
【当面の想定レンジ】 31,000~33,000ドル

【ナスダック】
・目先底入れか?
【当面の想定レンジ】 11,000~12,500

【米ドル/円】
・当面の高値を付けた可能性
【当面の想定レンジ】 125.000~130.500円


[日経平均]
世界金融危機の底値を付けた08年10月以降、日経平均はおよそ4年周期で底入れしており、現在の相場はコロナショック底(20年3月)を起点とする4年サイクルの中にあります。この4年サイクルは、二つの2年サイクル(2年+2年)で構成されています。今年3月は、4年サイクル前半の2年サイクルが終了し、4年サイクル後半の2年サイクルが始まった月に当たります。今回、新たな2年サイクルは「サード・オブ・サード」と共に始まりました。ここからすると、今後2年以内に日経平均は過去最高値・38,915円(ザラバで38,957円)を更新してもおかしくありません。


経済の正常化期待で日本株も再起動へ?!
5月12日に内閣府が発表した4月の景気ウォッチャー調査(街角景気、調査期間は4/25~30)によると、現状判断指数(DI、季節調整済み)が3月から2.6ポイント上昇の50.4となり、2カ月連続で改善しました。内閣府は現状の景気判断を「持ち直しの動きがみられる」に据え置きました。なお2~3カ月後の景気の良し悪しを判断する先行き判断指数は3カ月連続で上昇しています。

昨年末から感染が急拡大したオミクロン株の影響で、現状判断指数は1月に37.9(前月比19.6ポイント低下は過去2番目の悪化幅でした)、翌2月の37.7と低迷が続いていました。

今回、景況感が回復しているのは、3月下旬に「まん延防止等重点措置」が解除され、家電量販店やデパートなどの販売額が回復したことや、祝日も追い風に客足が戻ってきたことなどが要因です。

本レポートの前回号(5/10)で、日本株市場は世界の中で意外に健闘していることを指摘しました。金融政策スタンスの方向性の違い、ドル建て日経平均の割安感などは、海外マネーを呼び込むきっかけになり得ます。

なお日本株のアウトパフォームが「まん延防止等重点措置」の解除後に顕著である、ということにも注目したいと思います。TS倍率(TOPIX/S&P500)は3月上旬に底入れし、行動規制が外れた3月下旬から大きく上昇しています(これは街角景気の現状とも整合的です)。日本経済の正常化期待への高まりは、日本株の再起動を強く促す可能性が高いでしょう。



海外投資家は現物を6週連続で買い越し
5月第1週(2日~6日)、海外投資家は現物株を514億円買い越しました(前週は1514億円の買い越し)。3月第5週(3月28~4月1日)以来の買い越しは6週連続で、2020年11~12月の7週連続以来の長さとなっています。同じ期間でTS倍率の上昇基調が強まっていることが目を引きます。
なお6週間の買い越し金額は約1兆5730億円にのぼります。


【日足・エリオット波動分析】
日経平均の半年間の調整第(2)波は24,681円(3/9安値)を以て終了し、そこからは第(3)波の上昇トレンドに入った可能性が高いと見ています。

昨年9月からの調整(A-B-Cジグザグ)において、11月高値・29,960円以来のC波は「エンディング・ダイアゴナル」です。この転換パターンから上放れた市場価格は通常、少なくともパターン開始点まで速やかに戻るとされます。「速やかに」というのは、「ダイアゴナルが始まったときから、それを抜けるまでにかかったのと同じ期間以内」というのが筆者の見解です。

今回のケースでは、ダイアゴナルが始まった昨年11月16日から、(ダイアゴナルを)上抜けた3月22日までが4カ月です。そこから4カ月後の7月下旬より前に、日経平均は(控えめにみて)パターン開始水準29,960円≒3万円へ上昇する可能性が高いことになります。

いよいよ13日は決算発表のピークを迎えます。引き続き下値不安は乏しいでしょう。そもそも足元のバリュエーションは相当に割安ですし、現在の20年ぶりの円安水準は業績予想に反映されていません(今年度の企業の想定レートは1ドル=111.93円に過ぎません)。そして12日は、騰落レシオが年初来安値(79.44%)へ低下しました。

今後日経平均は上昇基調を強め、6月中にも3万円回復となっておかしくありません。


【時間足・エリオット波動分析】

28,338円(3/25高値)からのマルii波はジグザグ(a)-(b)-(c)とみられ、27,580円(4/21高値)からは(c)波の下落に位置付けられます。

この(c)波は、エンディング・ダイアゴナルを形成しているようにみえます。昨年11月~今年3月のパターンの再現(フラクタル)かもしれません。日経平均の急反発局面が接近している可能性があります。
【5月13日7:55更新】


[NYダウ]

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 投資家の不安心理は後退しつつある?
5月12日にNYダウは6日続落で年初来安値を更新。一時31,228ドルと、1年2ヵ月ぶり安値となりました。

この日はS&P500も年初来安値を更新、VIX指数(恐怖指数)は一時34.76まで上昇しています。もっともVIX指数は2.42%安で引けており(31.77)、それは依然として高水準ではあるものの、投資家の不安心理は後退しつつあるようです。

実際のところVIX指数は5月2日の36.64を上回る動きとなっていませんが、同じ期間のS&P500は下値を切り下げています。VIX指数とS&P500の間で強気ダイヴァージェンスが形成されており、それは、NYダウ、S&P500の底打ち接近の兆候です。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】 
1月からのA-B-Cジグザグにおいて、A波は33,150ドル(1/24安値)まで、そこから35,492ドル(4/21高値)までがB波(フラット)、そして足元はC波の下落に位置付けられます。

12日安値(31,228ドル)は、[31,690ドル] (A波とC波が等しく下がる水準)を下回っていますが、終値(31,730ドル)では上回りました。この日のローソク足には長い下ヒゲが出現し、目先底入れを暗示しています。
【5月13日8:50更新】


[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】 目先底入れか?
ナスダック総合指数(以下ナスダック)は4月月間で13.3%もの下げとなりました。これはリーマン・ショックが起きた2008年9月(11.6%安)を上回り、08年10月(17.7%安)以来の大きさです。

14,646(3/29高値)からは、C波の下落に位置付けられます。

5月12日には一時11,108(約1年半ぶり安値)まで下げ、注目サポートレベルの[11,421] (20年3月安値からの上昇の半値押し水準)を達成。さらに[11,021] (A波とC波の下げ幅が等しくなる水準)にも接近しました。この動きにより、ナスダックは(少なくとも目先的には)底入れしておかしくないと思われます。

その反面、11,000処のサポートレベルが維持されなければ、10,000処の下値試しが視野に入ります。
[10,291]…20年3月安値からの上昇の61.8%押し
[10,019]…過去最高値16,212 に0.618を乗じて得られる価格

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)】底入れの可能性
SOX指数は、3633(3/29高値)からC波の下落が進行中とカウントできます。
12日には一時2754まで下げ、A波とC波が等しく下がる水準[2712]に接近した後は切り返しました。
結局この日は0.54%高(2827)で引けています。

底入れの可能性があり、ここからの動きに注目です。
【5月13日9:15更新】


[米ドル/円]

米ドル/円は2015年高値・125.860円をブレイクし、20年ぶり円安となりました。この円安トレンドは、さらに大きく、長く、続くとみています。筆者が描く理想的なシナリオは、「2023年6月頃に1ドル=150-160円を達成する」というものです。なお(A)波(11年10月→15年6月)と、(C)波(21年1月~)が等しく上がるN計算値からは、[152.869円]というターゲットが導かれます。

【月足・エリオット波動分析】 
米ドル/円は102.579円(21/1/6)を起点とする(C)波の上昇トレンド(米ドル高・円安)にあります。この(C)波は8年サイクルに基づき、2023~24年まで続くとみられます。
4月は125.860円を上回ったことに加え、過去20年間で形成された、大型の逆ヘッド・アンド・ショルダーズから上放れを開始しました。この強気パターンによれば、先々ターゲットとして[1ドル=170円]が導かれます。本格的な円安時代が到来しているなかで、将来的には1ドル=150円さえも、ひとつの通過点になるのかもしれません。

なお今後数ヵ月タームのターゲットとしては、2002年1月に付けた[135.220円]が適当でしょう。

[米ドル/円] 日足一目均衡表・パラボリックSAR

【日足・エリオット波動分析】 当面の高値を付けた可能性
109.110円(21/9/22)からは、(C)波中第(3)波の米ドル高・円安とみられます。
この第(3)波は5波動構成になり(1~5波)、121.250円(3/31)からは(3)-5波に位置付けられます。

5月9日には一時131.299円と20年ぶり円安水準を更新しました。これにより、フィボナッチ比率に基づくチャートの節目・131円が達成されたことになります。
[131.001円]…第(1)波(21/1/6~21/3/31)の米ドル/円上昇幅と、第(3)波(21/9/22~)の上昇幅が、
「1:2.618」の比率になる水準

日足チャートのパラボリックSARは、直近で米ドル/円[売り]に転換しました。日足は一目均衡表の転換線を下回っています。

さしもの急ピッチの米ドル高・円安基調にも一服感が台頭しています。米ドル/円は当面の高値を付けた可能性が高いでしょう。当面、日足基準線(127.500円処)をサポートとしながらの、膠着の動きが予想されます。

なお基準線が明確に破られる場合には、米ドル/円は比較的大きな調整となりそうです。この場合、[125.047円-121.250円]が、注目サポートレンジになります。
【5月13日10:10更新】


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。


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