エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※5月10日更新

2022/05/10 12:37

宮田エリオット波動レポート(短期アップデート)

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【日経平均】
・意外に健闘している日本株
・ドル建て日経平均は目先底入れも
・日本株買いの機運が高まるか?!
【当面の想定レンジ】 25,500~27,000円

【NYダウ】
・VIX指数と強気ダイヴァージェンス形成も
【当面の想定レンジ】 31,690~34,100ドル

【ナスダック】
・目先11,421-11,021を試す?
【当面の想定レンジ】 11,000~13,000

【米ドル/円】
・チャート節目・131円を達成(当面の高値圏か?)
【当面の想定レンジ】 126.000~131.500円

[日経平均]


世界金融危機の底値を付けた08年10月以降、日経平均はおよそ4年周期で底入れしており、現在の相場はコロナショック底(20年3月)を起点とする4年サイクルの中にあります。この4年サイクルは、二つの2年サイクル(2年+2年)で構成されています。今年3月は、4年サイクル前半の2年サイクルが終了し、4年サイクル後半の2年サイクルが始まった月に当たります。今回、新たな2年サイクルは「サード・オブ・サード」と共に始まりました。ここからすると、今後2年以内に日経平均は過去最高値・38,915円(ザラバで38,957円)を更新してもおかしくありません。

【日足・エリオット波動分析】
日経平均の半年間の調整第(2)波は24,681円(3/9安値)を以て終了し、そこからは第(3)波の上昇トレンドに入った可能性が高いと見ています。

昨年9月からの調整(A-B-Cジグザグ)において、11月高値・29,960円以来のC波は「エンディング・ダイアゴナル」です。この転換パターンから上放れた市場価格は通常、少なくともパターン開始点まで速やかに戻るとされます。「速やかに」というのは、「ダイアゴナルが始まったときから、それを抜けるまでにかかったのと同じ期間以内」というのが筆者の見解です。

今回のケースでは、ダイアゴナルが始まった昨年11月16日から、(ダイアゴナルを)上抜けた3月22日までが4カ月です。そこから4カ月後の7月下旬より前に、日経平均は(控えめにみて)パターン開始水準29,960円≒3万円へ上昇する可能性が高いことになります。

今週は決算発表のヤマ場ですが、引き続き下値不安は乏しいでしょう。そもそも足元のバリュエーションは相当に割安ですし、現在の20年ぶりの円安水準は業績予想に反映されていません(今年度の企業の想定レートは1ドル=111.93円に過ぎません)。加えて足元の騰落レシオは年初来安値圏にあります(5/9は80.17%)。

日経平均は今月から上昇基調を強め、6月中にも3万円回復となっておかしくありません。


【時間足・エリオット波動分析】

28,338円(3/25高値)からのマルii波はジグザグ(a)-(b)-(c)とみられ、27,580円(4/21高値)からは(c)波の下落に位置付けられます。

5月10日の前場には一時25,773円まで下げましたが、3月下旬からの下降チャネル下限で下げ渋りの動きがみられます。(c)波の下落及び、マルii波の調整は終わった可能性があります。この可能性は、27,072円(5/6高値)を上回ることにより高められます。
【5月10日12:00更新】

【年初来パフォーマンス】 意外に健闘している日本株
2020年の第1四半期を通じ、世界の株式市場は軟調でした。日本株市場も例外ではありませんが、意外にも日本株市場が(悪いなりに)健闘している、ということは押さえておきたい点です。

年初からの各国株価パフォーマンスをみてみましょう。日本株市場の下げは比較的小さいことがわかります。ちなみに比較した市場の中では日本株のみが、3月に付けた安値を下回っていません。


【ドル建て日経平均】 目先で底入れも

反面、20年ぶりの円安を受けてドル建て日経平均は大きく下げています。
もっとも円安が企業業績にとってメリットが多いことは明らかです。その上、ドル建て日経平均の足元水準自体が、2020~21年の上昇の61.8%押しサポートレベルに達しています。ドル建て日経平均のここからの下げは限られるとみられますし、目先で底入れする可能性も小さくありません。

日本株買いの機運が高まるか?!
海外投資家はここ数年で日本株のウェイトを相当に落としているとみられます。ドルで運用する海外投資家にとって、現在の割安な日本株は売りづらい反面、買いやすくなった、と言えるかもしれません。

世界を見回すと、多くの国の中央銀行が金融引き締め方向に舵を切っています。そんな中で、金融緩和姿勢の継続を表明している日本は異彩を放っています。

このような金融政策スタンスの方向性の違いは、一段の円安の進展を通じて企業業績のさらなる拡大を可能にし、日本株にマネーを呼び込む大きなきっかけになり得るでしょう。規模からみても、日本株市場はマネーの受け皿として十分な役割を果たすでしょう。

東京証券取引所が4月28日に発表した4月3週目(18~22日)の投資部門別売買動向(東京・名古屋両市場)によると、海外投資家は現物を2380億円買い越しました。2020年11~12月(7週連続)以来、約1年4カ月ぶりに4週連続で買い越したことになります(買い越し金額は約1.37兆円)。

この動きが一過性のものなのか、あるいは日本株見直し機運が着実に高まっていくのか。大いに注目すべき局面です。


[NYダウ]

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 VIX指数と強気ダイヴァージェンス形成も?
5月9日にNYダウは一時32,121ドルまで下落、年初来安値を更新しました。この動きにより、1月高値(36,952ドル)からの調整の継続が確認され、前回の本レポート(4/28)において指摘した、ナスダックとの間の「未確認」の可能性は消滅したことになります。

この日のVIX指数(恐怖指数)は一時35.48まで上昇。終値も34.75と30を大きく上回り、投資家の不安心理の高まりを示しています。

ただし現時点でVIX指数は、5月2日の高値(36.64)、ロシアのウクライナ侵攻があった2月24日の高値(37.79)、これらを上回ってはいません。一方、足元のS&P500水準は年初来安値です。このような状況は、VIX指数とS&P500の間で強気ダイヴァージェンスの形成を予感させます。NYダウ、S&P500の底打ちが接近している可能性があります。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】 
年初来安値の更新に伴い、従来の波動カウントを見直しました。
1月からのA-B-Cジグザグにおいて、A波は33,150ドル(1/24安値)まで、そこから35,492ドル(4/21高値)までがB波(フラット)、そして現在はC波の下落が進行中と読めます(ただし最終的な波動カウントではありません)。

A波とC波が等しく下がる水準は[31,690ドル]。この付近で下げ止まるかを注目しています。
【5月10日11:50更新】



[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】 目先11,421-11,021を試す?
ナスダック総合指数(以下ナスダック)は4月月間で13.3%もの下げとなりました。これはリーマン・ショックが起きた2008年9月(11.6%安)を上回り、08年10月(17.7%安)以来の大きさです。

14,646(3/29高値)からは、C波の下落に位置付けられます。

5月9日には心理的節目の12,000を明確に下回り、終値(11,623)はこの日の安値圏でした。ナスダックは目先的にも、11,421-11,021を試す展開となりそうです。

[11,421]…20年3月安値からの上昇の半値押し水準
[11,021]…A波とC波の下げ幅が等しくなる水準
なお11,000処のサポートレベルが維持されなければ、10,000処の下値試しが視野に入ります。
[10,291]…20年3月安値からの上昇の61.8%押し
[10,019]…過去最高値16,212 に0.618を乗じて得られる価格

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)】
SOX指数は、3633(3/29高値)からC波の下落が進行中とカウントできます。
A波とC波が等しく下がる水準[2712]を短期的にも試す展開が想定されます。
【5月10日8:15更新】



[米ドル/円]

米ドル/円は2015年高値・125.860円をブレイクし、20年ぶり円安となりました。この円安トレンドは、さらに大きく、長く、続くとみています。筆者が描く理想的なシナリオは、「2023年6月頃に1ドル=150-160円を達成する」というものです。なお(A)波(11年10月→15年6月)と、(C)波(21年1月~)が等しく上がるN計算値からは、[152.869円]というターゲットが導かれます。

【月足・エリオット波動分析】 
米ドル/円は102.579円(21/1/6)を起点とする(C)波の上昇トレンド(米ドル高・円安)にあります。この(C)波は8年サイクルに基づき、2023~24年まで続くとみられます。
4月は125.860円を上回ったことに加え、過去20年間で形成された、大型の逆ヘッド・アンド・ショルダーズから上放れを開始しました。この強気パターンによれば、先々ターゲットとして[1ドル=170円]が導かれます。本格的な円安時代が到来しているなかで、将来的には1ドル=150円さえも、ひとつの通過点になるのかもしれません。

なお今後数ヵ月タームのターゲットとしては、2002年1月に付けた[135.220円]が適当でしょう。

[米ドル/円] 日足一目均衡表・パラボリックSAR


【日足・エリオット波動分析】 チャート節目131円を達成(当面の高値圏か?)
109.110円(21/9/22)からは、(C)波中第(3)波の米ドル高・円安とみられます。
この第(3)波は5波動構成になり(1~5波)、121.250円(3/31)からは(3)-5波に位置付けられます。

5月9日には一時131.299円と20年ぶり円安水準を更新しました。これにより、フィボナッチ比率に基づくチャートの節目・131円が達成されたことになります。
[131.001円]…第(1)波(21/1/6~21/3/31)の米ドル/円上昇幅と、第(3)波(21/9/22~)の上昇幅が、
「1:2.618」の比率になる水準

この第(3)波の完成を以て、急ピッチの米ドル高・円安はようやく一服することになりそうです。
筆者は米長期金利、ドルインデックス、いずれも当面の高値圏にあるとみています。同じことは米ドル/円にも当てはまるのではないでしょうか。米ドル/円は当面の高値圏にあると思われます。

日足チャートのパラボリックSARは、米ドル/円の買い継続を示しています。他方、一目均衡表の転換線は129.800円レベルへ切り上がりをみせています。日足が転換線を下回るようなら、急ピッチの米ドル高・円安基調に一服感が台頭しやすいでしょう。
【5月10日10:10更新】



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。


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