エリオット波動・宮田レポート(マンスリー・フォーカス) ※3月31日更新

2022/03/31 10:30

宮田エリオット波動レポート(マンスリー・フォーカス)

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【米ドル/円】
今月(22年3月)の米ドル/円は記録的な上昇となり、超大型の強気パターンから上放れを開始しました。いわゆる「黒田ライン」の突破も時間の問題でしょう。米ドル/円の次のターゲットとしては135.220円(02年1月)があげられます。

[米ドル/円]
米ドル/円月足エリオット波動

3月の米ドル/円は記録的な上昇に
円相場は今月28日に6年7カ月ぶりに一時1ドル=125円台に乗せ、この時点で2月末の水準(114.936円)に比べ10円以上も米ドル高・円安が進みました。2017年から2020年までの4年間は、「年間を通じての値幅」が10円程度だったことからも、今月の米ドル/円がいかに記録的なものだったがわかります。

「黒田ライン」突破は時間の問題
米ドル/円はいよいよ15年6月の125.860円を試す局面です。さすがに今月の上昇ピッチが4月以降も続くとは考えづらいですが、それでも125.860円ブレイクは時間の問題でしょう。

そもそも1ドル=125円近辺は、市場関係者やメディアから「黒田ライン」とされ、注目度が高い水準です。15年6月に黒田日銀総裁が、「実質実効為替レートがさらに円安方向に振れていくことは、普通に考えるとなかなかありそうにない」と発言し、その時点における名目円レート水準(1ドル=125円近辺)が、ある種の防衛ラインであるかのように受け止められています。

もちろん、変動相場制の下で中央銀行総裁が特定の名目レートを示唆することはあり得ません(そんなことをすれば為替操作国のレッテルが貼られてしまいます)。実際のところ、黒田総裁が発言したのは実質実効為替レートについてであり、名目レートではありません。

とはいえ、直近でメディアは(現実には存在しない)さかんに黒田ラインを取り上げており─ことさらに「悪い円安」の可能性を指摘する記事が目立つようですが─125.860円という水準は「ポイント・オブ・レコグニション」として一段と存在感を強めています。

将来的に「悪い円安」を招くかそうでないかは─円安にはデフレ脱却につながるメリット面もあることを忘れてはならないでしょう─相当の時間が経ってみないことには何ともいえません。当たり前の話ですが、エリオット波動が示すものは事の良し悪しではなく、相場の方向性です。そしてエリオット波動に基づくと、この先も円安トレンドは続く可能性は高いとみられるのです。

逆ヘッド・アンド・ショルダーズから上放れた米ドル/円─次は135円台を目指す?!
今月は米ドル/円の長期チャートに特筆すべき動きがみられました。90年4月(160.360円)以来32年にわたるネックラインを明確にブレイクし、超大型の逆ヘッド・アンド・ショルダーズから上放れを開始したのです。今後125.860円をブレイクした暁には、米ドル/円のターゲットは135.220円(02年1月)に一気に引き上がることになります。

個人投資家は円買い越し─今後は円売り姿勢へ転換も
なお3月28日のブルームバーグ記事は、「日本の個人投資家が円の上昇を見込んだポジションを過去最大規模に膨らませている。円の先安観が強まる市場で、逆行した動きを見せている」と伝えています。同記事によると、個人投資家の14通貨に対する円の買い越し額が3月第3週(3/21-25)に計2580億円(21億ドル)とデータがさかのぼれる2006年以降の最大になり、そして円買い越しの大半はドルとユーロに対してのもの、ということです。

この先125.860円のブレイクは、日本の個人投資家を、かつて主流だった米ドル買い・円売り姿勢に回帰させる、大きなきっかけになるかもしれません。
米ドル/円月足ネックライン

エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。


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