エリオット波動・宮田レポート(マンスリー・フォーカス) ※2月28日更新

2022/02/28 14:14

宮田エリオット波動レポート(マンスリー・フォーカス)

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【米ドル/円】
2021年、米ドル/円の年間ローソク足は大陽線を形成しました。加えて長期移動平均線がゴールデンクロスするなど、長期強気シグナル(米ドル買い・円売り)が点灯しています。
【金価格】
2015年からのトライアングルから上放れ、最終的な上昇トレンドに入ったとみられます。それは史上最高値更新を目指すもので、金にとって「最後の輝き」となるでしょう。


[米ドル/円]
米ドル/円年足チャート

長期米ドル買い・円売りシグナル点灯
上チャートは2007年以降の米ドル/円年足です。昨年(2021年)の年間ローソク足は6年ぶりに陽線を、それも大陽線を形成しました。年間高安間の値幅はおよそ13円と5年ぶり大きさとなり、それは米ドル/円のステージが「休止期」から「活動期」へと移行したことを、改めて強く印象付けるものとなっています。

加えて昨年末時点で、長期的な強気シグナル(ドル買い・円売り)点灯が確定しています。
それは、10年移動平均線(MA)と20年MAのゴールデンクロスです。これら長期移動平均線のゴールデンクロスは、1971年ニクソンショックから徐々に、1973年に正式に開始した変動相場制下で初めてのことです(2011年までの40年間は円高トレンドでしたから、初のゴールデンクロスというのも当然ですが)。

ちなみに10年MAは2013年から上昇を始め、2017年以降で勾配が急になっていることがわかります。経験則的には、上昇中の長期移動平均線は強いサポートになることが多い。このことから、10年MA(現在112.700円付近)は、今年を通じて米ドル/円の注目サポートレベルといえるでしょう。これは何も、10年MAを割れたら円高へと見方が変わる、ということではありません。今後米ドル/円が10年MAを下回ることがあったとしても一時的で、年末時点では10年MAを上回っているだろう、という意味です。換言すれば、仮に10年MA割れとなるようなケースは、米ドル/円の押し目買い好機到来とみてよさそうです。

ところで20年MAは緩やかな低下傾向を示しています(20年MAは2020年が106.690円、2021年は105.860円)。しかし、この傾向にも変化が出るかもしれません。仮に今年の終値が1ドル=119円だと、20年MAは105.870円となり上向きに転じます。たとえ今年の上向き転換が叶わなくとも、来年2023年には20年MAが上向きになる見込みです。

[金価格]
金価格月足エリオット波動

ウクライナ情勢の緊迫化で金と米ドルが同時に高い

2021年を通じて多くのコモディティ価格が大きく値上がりするのを横目に、米ドル建ての金価格は鳴りを潜めていました。長期的にみると、米ドル高と金価格の上昇は両立しません。昨年は、米金利上昇トレンドが強まる中で米ドル高も進み、コモディティ全般高の流れに金だけが乗ることができませんでした。

そんな金ですが、ここに来て上昇基調を強めています。
2月24日のロシア軍によるウクライナ侵攻を受け、リスク回避のための金買いが活発となりました。この日、指標となるNY先物も現物スポット価格も、一時1トロイオンス1970ドルを上回り、約1年5ヵ月ぶりの高値を付けました。

一方で「有事の金買い」による米ドル高も進んでいます。ドルインデックスは24日、一時2020年6月下旬以来の高値を付けました。足元は、金価格と米ドルの上昇が同時に起きていることになります。

エリオット波動に基づくと、2015年安値(1046ドル)以来の金価格上昇は、プライマリー級第➄波とカウントできます。2020年に付けた史上最高値(2075ドル)からの➄波-(4)波はトライアングルを形成。トライアングルから上放れた足元の強気局面は、➄-(5)波に位置付けられます。

金価格は「最後の輝き」で最高値を更新へ
この波動カウント通りなら、金価格は2020年高値を上回り、最高値を更新するでしょう。この見通しは1780ドル(1/28安値)を維持する限り有効です。

➄-(5)波は歴史的な天井へ向けた、最後の上昇局面と解釈されます。そんな上昇は金にとって文字通り、「最後の輝き」となるでしょう。

金価格には、およそ30カ月程度の周期で安値を付ける傾向があります。この30カ月サイクルによると、現行サイクルは2021年3月(安値1676ドル)に始まり、2023年10月頃に終わる見込みです。ここからすると、金の歴史的天井は2023年9月より前の、おそらく今年のどこかで付けると思われます。

実質金価格は既にピークアウト(長期的に金は下落へ)
インフレ調整後の金価格(実質金価格)は、1980年と2011年の高値同士で歴史的なダブル・トップを形成しています。2020年、金価格が初めて2000ドル台を付けたときでさえ─この時点で金価格は1980年の高値(666ドル)からおよそ3倍に上昇しています─実質金価格は1980年の高値にまったく届きませんでした。つまり実質的には、金価格は既にピークアウトしている、とみていいでしょう。

経験則的にいえば、長期的に減価しづらい金は、有効なインフレヘッジ手段です。もっとも、今後も続くと予想される米ドル高基調下でのインフレが、今のようなドルと金いずれも高い「蜜月関係」を、遠からず終わらせることでしょう。米ドル上昇・金価格の下落という長期見通しを継続します。

金価格 インフレ修正後

エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。


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