エリオット波動・宮田レポート(マンスリー・フォーカス) ※12月29日更新

2021/12/29 11:09

宮田エリオット波動レポート(マンスリー・フォーカス)

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【2022年の日経平均・NYダウ・米ドル/円のシナリオ】
(筆者より)
本レポートは弊社ホームページに公開中の『「大予想」2022年の為替・株─エリオット波動によるシナリオ 株価・米ドル/円」に加筆したものです。

<日経平均>

2022年の国内景気は好況期へ移行する!?
内閣府は11月30日、2020年5月を景気の「谷」と認定しました。 18年11月から始まった景気後退は1年7カ月で終わり、20年6月からは回復(拡張)局面に入ったことになります。

ちなみに今回は、戦後16回目の景気循環の後退期に当たり、期間としては4番目の長さ、規模は世界金融危機以来の非常に大きなものでした。このような長く大きな後退の主な理由として、世界の景気が既に2018年後半から循環的な後退期に入り日本国内の景気も陰りが見えていたところに、19年10月の消費増税が追い打ちをかけた可能性が考えられるでしょう。

そして今回の景気後退のダメを押したのは、言うまでもなくパンデミックです。世界の経済活動が急停止したことを受け、20年3月から5月までの景気後退は、まさしくフリーフォール状態でした。

一方20年6月からの景気回復に関しては、多くの人にとってまだピンと来ない話ではないでしょうか。20年4月以降で緊急事態宣言が4回も発出され、まん延防止等重点措置も度々ありました。このように、ほとんど絶え間なく行動自粛が求められてきた状況下で、景気回復を実感できないのも当然でしょう。

大きな話題となりましたが、20年秋以降の世界的な半導体不足の影響を受けて、21年は自動車メーカーが操業停止や減産を余儀なくされました。それに長期間の行動自粛措置が重なったことで、先進国の中で日本の景気回復の遅れはひときわ目立つことになってしまいました。

しかし国内の新型コロナウィルスの感染が落ち着き、状況は大きく変わりつつあります。

供給ボトルネック解消に目途が付く22年は、行動制限の緩和に伴う「リベンジ消費」も相まって、国内景気の急回復が期待できそうです。経済の正常化に伴い、日本人の多くが、ようやく景気回復を実感できるようになってくるのではないでしょうか。

これを裏付けるように、内閣府の景気ウォッチャー調査では、景気に敏感な小売店主らに聞く11月の「街角景気」では、現状判断指数が3ヵ月連続で改善しています。個人消費の持ち直しも顕著となっており、政府は12月の月例経済報告(12/21公表)で景気判断を17カ月ぶりに上方修正しました。

エリオット波動で日経平均をみると、22年には目覚ましい上昇を演じる可能性が高いと思われます。そのような株高が起きるのも、経済の正常化が大きく進展するからでしょう。

ただし新型コロナウィルスの感染状況によっては、20年の景気回復にブレーキがかかる可能性は否定できません。これはリスク要因として心に留め置く必要はあるでしょう(サブシナリオとして後述)。

[日経平均長期メインシナリオ]…コロナショック安値からの長期上昇トレンドが進行中
エリオット波動に基づくと、2020年3月のコロナショック安値(16,358円)からの長期上昇トレンド=第➂波が進行中です。第3波というのはおしなべて(株式相場では特に)、上昇スケール・期間のいずれもが圧倒的なものになります。

第➀波(08年10月安値6,994円~18年10月高値・24,448円)の強気相場は通算で10年間続き、幅にして17,454円、率では250%上昇しました。20年以来の第➂波が第➀波と等しく上がるとみれば、第➂波の上値メドとして33,812円(同幅上げ)、そして57,175円(同率)、これらが導かれます。

[日経平均・2022年メインシナリオ]…「サード・オブ・サード」の強気局面で過去最高値更新も
注目したいのは、次の強気相場は第➂波の第(3)波いわゆる「サード・オブ・サード」に相当するということです。それは「強気相場の中の強気相場」であり、そこでは参加者の増加、出来高の増加、物色範囲の広がり、これらが顕著にみられます。

おそらく22年の強気相場は、08年以来の強気相場の中でもハイライト的なものになるでしょう。上記33,821円という上値メドは通過点に過ぎず、ベストシナリオでは89年の過去最高値38,957円(ザラバベース)を更新することも考えられます。

日経500平均は89年高値を既に上回り史上最高値を更新していますから、日経平均に同じことが起きてもそう驚くことではありません。

以上が水準に関しての見方ですが、日柄面ではどうでしょうか?
4年サイクル(在庫循環=キッチンサイクルに相当します)に基づくと、20年3月以来のサイクルの上昇期が続いているとみられます。

16年6月~20年3月の4年サイクルで、日経平均は27カ月上昇しています。さらにその前の4年サイクル(12年6月~16年6月)においては,日経平均の上昇期間は36カ月もの長きにわたりました。

これらを参考にすると、日経平均の上昇は22年半ばまで、さらには23年3月頃まで続く可能性さえあるといえそうです。

このように22年の前半は日経平均の上昇を期待できますし、(首尾よくいけば)22年を通じほぼ一貫して上昇する展開もありそうです。
日経平均2022年見通し

[日経平均2022年サブシナリオ]…21年高値を抜かず調整が長引く

このシナリオは、例えば新型コロナ禍の「第6波」が深刻化し─余り考えたくないのですが─より厳しい行動制限が課されるなどを理由に経済が停滞し、21年9月からの日経平均の調整局面がさらに長引くというものです。

これによると、第➂波中第(1)波の頂点は21年9月(30,795円)で付けており、以降で第(2)波の調整局面が進行中とみられます。
第(1)波の上昇期間は1年半(20年3月~21年9月)ということで、つまりは現行4年サイクルの前半時期に高値を付けたことになります(これは08年10月~12年6月の4年サイクルと同様のものとして分類されます)。したがって、4年サイクルが安値を付ける時期は24年春頃と想定できますから(サイクル始点の20年3月から4年後)、それまで日経平均の下値模索が続くと思われます。

この見方に基づくと「サード・オブ・サード」 の強気相場は、次の4年サイクルが始まる24年まで待たなければならないでしょう。
日経平均月足エリオット波動

<NYダウ>
NYダウのエリオット波動カウント
[NYダウシナリオ]…22年は4万ドル試しも─潤沢な待機資金が下支え
NYダウは長期的な高値圏にあると思われます。もっとも、このような見方は今に始まったことではなく、筆者自身が1年前の時点では、21年はコロナショック底からの急騰に対する調整リスクが高いとみていました。でも実際には大きな調整は起きませんでした。

ところでこのままいくと、今年(2021年)のS&P500の年間上昇率は20%を上回りそうです(12月28日時点で+27.4%)。S&P500は19年、20年と連続して二桁の上昇率となっていますが、それが3年連続に伸びるのはまず間違いないでしょう。ちなみに、二桁上昇率の記録は5年連続(1995-99年)が過去最長です。

22年はテーパーリング終了と利上げ開始が予想され、米金融政策は大きな転換を迎えます。そんな中で米国マーケットは、金利上昇と株高が共存する局面を迎える可能性があるでしょう。

チャート的にみると、NYダウは4万ドルを試してもおかしくありません。
今年NYダウは、1920年と2000年の高値同士を連結する超長期の上値抵抗線を上回りました。このためチャート面の上値を測る上で参考になるのは、1932年と82年の安値を連結したラインをベースとする上昇チャネルラインとなります。このチャネルラインの上限は、22年には42,772-44,698ドルに位置しています。

需給環境は引き続き良好です。12月24日時点でMMF残高は4.66兆ドル(約534兆円)と過去最高残高(4.78兆ドル)に迫る勢いです。22年に高値警戒感から米株が大きく下げることになっても、潤沢な待機資金が下支えすることでしょう。
MMF残高

<米ドル/円>
[米ドル/円]…米ドル高・円安基調がより鮮明に─125円試しも視野
1年前に提示した米ドル/円についての2021年メインシナリオは、「2015年からの大型トライアングルを上放れ、長期的な米ドル/円上昇トレンドが再開する」というものでした。
実際のところ、21年を通じ米ドル/円はほぼ想定通りの展開となりました。年初の1ドル=102.579円を起点に大幅に米ドル高・円安が進み、11月には4年8カ月ぶり高値となる115円台を付けたのはご承知の通りです。

2022年、米ドル/円の上昇(C)波は2年目を迎えます。米ドル高・円安基調はより鮮明となり、早い時期に1ドル=118円を試すでしょう。節目の118.660円を上抜くことをきっかけに米ドル高・円安基調は加速し、120円大台乗せはもちろんのこと、125円試しも視野に入ります。

エリオット波動と8年サイクルに基づき、2023-24年に2015年の高値(125.860円)を上回るというのが、中長期の基本観です。ちなみに筆者が理想とするシナリオは、「2023年6月頃に1ドル=150-160円を達成する」というものです。

[米ドル/円・2023-24年までのシナリオ]
米ドル/円の長期シナリオ

118.660円を分水嶺とする二つの波動カウント
米ドル/円の短中期節目として、2016年12月の高値・118.660円に注目しています。
実のところ、118.660円を超えない限り、「2015年からのトライアングルが進行中」という可能性が少なからず残っています。

この見方によれば、米ドル/円は118.660円を超える前に、トライアングル中最後のE波でいったん円高となります。大まかにE波のメドは108-110円というところでしょうか。もちろんE波は円高トレンドということではなく、あくまで円安トレンド中の一時的な調整局面です。

このE波の終了を以て2015年からのトライアングル(B)波は完成します。それ以降は米ドル高・円安トレンド(C)波が展開していく、これが[サブシナリオ]です。

ちなみにこの[サブシナリオ]は、今後118.660円を一時的にも上回った時点で、即座に否定されます。そうなると、以降では[メインシナリオ]ほぼ一択となり、米ドル/円は心理的節目の120円、そして15年高値の125.860円、これらを順次目指していくことでしょう。

[米ドル/円・メインシナリオ]
米ドル/円2022年メインシナリオ

[米ドル/円・サブシナリオ]
米ドル/円2022年サブシナリオ

エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。


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