エリオット波動・宮田レポート(マンスリー・フォーカス) ※10月27日更新

2021/10/27 12:32

宮田エリオット波動レポート(マンスリー・フォーカス)

宮田レポートPDF版はこちらから

【米ドル/円】
既に今年の年間値幅は6年ぶりの大きさとなりました。今月は月足ベースでも米ドル/円の買いシグナル発動なるかが注目されます。

米ドル/円は「休止期」から「活動期」に入った可能性が高いでしょう。年内にも115円~118円を付ける可能性があります。

<米ドル/円>
4年間の「休止期」を経て「活動期」へ
米ドル/円は、2012年から2015年にかけて大幅な上昇となりました。いわゆる「アベノミクス相場」の下、米ドル/円は世界中のFX投資家が注目する、非常にホットな通貨のひとつでした。それはまさに「活動期」にあったといえます。

2016年前半は、チャイナショックやブレグジットなど予想外の出来事が相次ぎ、急激な円高となりました。この年の初めは1ドル=120円台でしたが、年央には一時100円割れとなり、そして年末には117円まで戻るという、まるでジェットコースターのような値動きでした。こうみると2016年というのは、2011年以来の円安トレンドにおける最初の躓きの年でした。

2017年以降、米ドル/円は急速に活気を失います。2020年に至るまで、年間を通じて10円程度しか動かない年が続き、徐々に投資家の関心も薄れていきました。2017年からの4年間というものは、米ドル/円にとっては雌伏のとき、「休止期」と呼べるものだったでしょう。

しかし2021年、状況は大きく変わっています。既に今年の値幅(安値と高値の差)は2016年以降でもっとも大きくなりました。また年間ローソク足(注1)は、少なくとも現時点で大きな陽線を形成しています。このまま今年のローソク足が陽線となれば、2015年以来6年ぶりです。

鳴りを潜めていた「休止期」は終わりを告げ、今年から米ドル/円は、新たな「活動期」に入った可能性が高いとみられます。そしてこのような目覚ましい米ドル高・円安の展開は、筆者が昨年末から予想していたものだったのです(注2)。
米ドル/円ローソク足年足
(注1) 今年の年足は10月26日までのデータに基づいています。
(注2) 「マンスリー・フォーカス」(1月29日付)[※クリックすると開きます]などをご覧ください。

月足ベースでも買いシグナル発動?!
まだ確定していませんが、米ドル/円の今月(10月)足は、雲と呼ばれる抵抗帯の上限から明確に上放れています。今月末(10/29)終値で雲上限(112.310円)超えが確認されれば、いわゆる「三役好転」(注3)という強気パターンが完成し、月足ベースでも米ドル/円の「買いシグナル」が発動します。それは長期的な米ドル高・円安トレンドというシナリオを、一段と補強するものといえるでしょう。

10月20日の東京外為市場で、米ドル/円は2018年10月の114.510円を一時上回り、2017年11月以来約4年ぶりの高値となりました。足元でこそ米ドル/円は上げ一服となっていますが、2017年11月の114.690円を抜くのは時間の問題でしょう。年内にも115円~118円を付ける可能性があります。

(注3) 次の➀から➂までの条件がすべて揃うことを「三役好転」といい、「買いのポイント」となる。➀現在価格が雲を上回る ➁転換線が基準線を上回り、基準線は横ばい、もしくは上昇 ➂遅行スパンが26ヵ月前の価格を上回る

[米ドル/円 月足一目均衡表]

米ドル/円 月足一目均衡表
(出所) マネースクエア

118.660円を分水嶺とする二つの波動カウント
ところで筆者は、米ドル/円の短中期節目として、2016年12月の高値・118.660円に注目しています。
実のところ、118.660円を超えない限り、「2015年からのトライアングルが進行中」という可能性が少なからず残っています。

この見方によれば、米ドル/円は118.660円を超える前に、トライアングル中最後のE波でいったん円高となります。もちろんそれは円高トレンドではなく、あくまで円安トレンド中の一時的な調整局面ですが。

このE波の終了を以て2015年からのトライアングル(B)波は完成します。それ以降は米ドル高・円安トレンド(C)波が展開していく、これが[サブシナリオ]です。

ちなみにこの[サブシナリオ]は、今後118.660円を一時的にも上回った時点で、即座に否定されます。

そうなると、以降では[メインシナリオ]ほぼ一択となり、米ドル/円は心理的節目の120円、そして2015年高値の125.860円、これらを順次目指していくことでしょう。

[米ドル/円週足・サブシナリオ]
米ドル/円週足エリオット波動カウント

[米ドル/円週足・メインシナリオ]
米ドル/円週足エリオット波動

エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。


topへ