エリオット波動・宮田レポート(マンスリー・フォーカス) ※6月30日更新

2021/06/30 10:35

宮田エリオット波動レポート(マンスリー・フォーカス)

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【ユーロ/米ドル】
エリオット波動によれば、ユーロ/米ドルは2008年高値から「ダブル・ジグザグ」で下げており、それはまだ進行中とみられます。おそらく今後2年程度はユーロ安が続き、パリティ(1ユーロ=1ドル)を下回る可能性があります。
2023年頃からは一転、ユーロ/米ドルは中長期タームのラリーをスタートすると思われます。

<ユーロ/米ドル>
ユーロ/米ドル月足チャート(エリオット波動分析)
2008年高値からのエリオット波動カウント
ユーロ導入(1999年1月)後、ユーロ/米ドルの最高値は2008年7月に付けた1.60370ドルです。そこを起点に、この通貨ペアの長い弱気相場は始まりました。

エリオット波動に基づき、ユーロ/米ドルの長期波動をカウントしてみましょう。
まず2015年3月に付けた安値1.04570ドルまでは、A-B-C「ジグザグ」です(B波はシンメトリカル・トライアングル)。ひとつの調整パターンが完成したことにより、少なくとも2015年当時においては、ユーロ/米ドルが持続的な上昇トレンドに転換するチャンスがありました。

しかし実際は、2015年から上昇トレンドは起きていません。2015年から2018年までの3年間はX(エックス)波とラベリングされ、エリオット体系では「リバウンド」という位置づけとなります。
2015年3月安値1.04570ドルから2018年2月高値1.25530ドルまでは、「エクスパンディッド(拡大)・フラット」というパターンです。このパターンにおける最初の上昇波動=(a)波は3波構成、それに続く下落波動=(b)波も3波構成、そして(c)波は5波構成※です。

※上昇トレンドは5波構成というのが原則です。ただし、「フラット」を構成する上昇C波は5波構成ではあるものの上昇トレンド入りを意味しません。5波構成による上昇が確認されても、「新たな上昇トレンドが始まった」と即断せず、少し立ち止まってチャートを見ましょう。「鳥の目」で上空高くから俯瞰するように、パターンを吟味することが大切です。

今後2年程度はユーロ安を想定、パリティ割れも
上記のように2018年高値を以てリバウンドは終わり、そこからは2番目のA-B-C「ジグザグ」による下落局面が進行中とカウントできます。2008年からのパターンは「ダブル・ジグザグ」です。

これによると現在の波動位置は、B波のリバウンドが終了してC波の下落が始まったか、始まりつつあるところ。言い換えると強気から弱気への端境にあるとみられます。

C波(5波構成)の下落(ユーロ安・米ドル高)は今後おそらく、2年程度は続くでしょう。その過程でユーロ/米ドルは、パリティ(1ユーロ=1ドル)を下回る可能性があります。

2023年頃からは一転、ユーロ/米ドルは中長期のラリー開始?
さらに先の見通しも示しておきましょう。2008年からのダブル・ジグザグを2023年頃に終えると、その後は一転して、ユーロ/米ドルは中長期タームのラリーをスタートすると思われます。

そのラリーが、(2015~2018年のような)リバウンド局面(=X波)にとどまる可能性はありますが、それでも3~5年間はユーロ高・米ドル安が続くと想定されます。

ドルインデックスとの関係
ところでユーロの今後を予想する上で、ドルインデックスの動向は非常に参考になります。
ユーロとドルインデックスの相関係数を2020年から取ると、それはマイナス0.966となっています。
このように、両者は互いに鏡合わせの位置関係(強い負の相関)にあります。ユーロ下落の兆候があれば、ドルインデックスには上昇の兆候が出ているはずです。

直近のドルインデックスをみると、2020年3月高値からのレジスタンスラインから、上放れる動きとなっています。ユーロドルとは正反対に、ドルインデックスは2020年からの下落トレンドが続いてきましたが、それも終わった可能性があります。
ドルインデックスとユーロ/米ドル
金価格との関係
一般に金価格と米ドル(ドルインデックス)の間には、負の相関があることが知られています。先に書いたように、ユーロとドルインデックスの間には強い負の相関があります。よって、金とユーロの間には正の相関がある、といえます。

金価格は今年3月に付けた安値から上昇基調が続いていましたが、一転して今月は急落しています。しかも、5波動構成で下げています。このことは、金価格が新たな下落トレンドに入ったことを示唆しています。そしてユーロも、今後はさらに下落基調を強める可能性があるといえましょう。

2021年後半は、ユーロ/米ドルの一段安リスクに目配りが必要かもしれません。
ユーロ/米ドルと金価格


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。




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