エリオット波動・宮田レポート(マンスリー・フォーカス) ※11月25日更新

2021/11/25 11:39

宮田エリオット波動レポート(マンスリー・フォーカス)


宮田レポートPDF版はこちらから

【ユーロ/米ドル】
5ヵ月前に予想した通り、ユーロ/米ドルは大きく下落。足元で1年5ヵ月ぶりの安値を付けています。当面1.11~1.10ドルを目指し、1.09~1.06ドル試しとなる可能性もあります。
一方、今後のリバウンドの上限は、下降中の200日線の水準とみられます。

<ユーロ/米ドル>
ユーロ/米ドル日足チャートのエリオット波動分析
ユーロ/米ドルは1年5ヵ月ぶり安値
ちょうど5ヵ月前のマンスリー・フォーカスNo.8(6月30日発行)(クリックすると開きます)で、ユーロ/米ドルについて取り上げました(当時は1ユーロ=1.19ドルでした)。その中で筆者は、「ユーロ/米ドルは強気から弱気への端境にあるとみられ…2021年後半は(ユーロ/米ドルの)一段安リスクに目配りが必要かもしれません」と書いています。

実際のところ、この5ヵ月の間にユーロ/米ドルは大きく下げています。
既にフィボナッチ比率のサポート・1.1282ドル(2020年3月~2021年1月の上昇に対し61.8%押し)を明確に下回り、11月24日には1年5ヵ月ぶりに、一時1.12ドル割れの場面がみられました。

特に今月は、ユーロの下落に勢いが付いています。
もちろん相場のことですから、いずれどこかでリバウンドは起きるでしょう。例えば、長い下ヒゲを持つ日足の出現を以て、その先駆けとみることはできます。
ただ今のところ、そのような転換パターンは確認されていません。

当面の下値目標値は1.1100~1.1000ドル
これまでもM2TV(8月23日の回など)で紹介していますが、ユーロ/米ドルは「ヘッド・アンド・ショルダーズ」から下落しています。

この有名な天井パターンから市場価格が下放れた際、先々の下値目標値は「頂上からネックラインまで垂線を引き、これと同じ長さの垂線を、ネックライン割れ地点から(下方へ)当てはめる」ことにより導かれます。今回の場合では、頂上からネックラインまでの垂線の長さを測ると、それは0.07ドルです。価格がネックラインを明確に割れたのは今年8月6日のことですが、このときネックラインは1.1790ドルの水準にありました。これらから、1ユーロ=1.1090ドル(1.1790ドルから0.07ドルを差し引く)という下値目標値が導かれます。

ただこの目標値については少し柔軟に考えるべきでしょう。当面の目標値として1.1100~1.1000ドルを想定します。

なお1.1100~1.1000ドルは、かなり控えめな目標値(※)で、それは短期的にも達成される可能性があります。5ヵ月前にも書いたように、筆者はユーロ/米ドルが2023年-24年にかけて、パリティ(1ユーロ=1ドル)を下回る可能性をみています。

※上記「ヘッド・アンド・ショルダーズ」の算出法から得られるのは「最小限の目標値」と考えるのが一般的です。

[ドルインデックス日足]

ドルインデックス日足チャートのエリオット波動分析

上昇基調続くドルインデックス

一方、ユーロとほぼ逆相関の動きとなるドルインデックスは、直近で上昇基調が加速しています。

11月24日には一時96.938まで上昇し、2020年からの下げ半値戻り(96.101)を大きく上回りました。
ドルインデックスは次に、同61.8%戻り(97.727)の水準を目指す可能性が高いでしょう。
このチャート節目付近でドルインデックスが上げ渋り、併せてユーロが下げ渋る、といった展開はありそうです。短期的な観点からいえば、急激なユーロ安・ドル高基調はそろそろ一服するかもしれません。
なお1.1000ドルのサポートも下回った際の下値メドについては後述します。

当面の上値は200日線の水準
さて今度は当面の上値メドを考えてみます。

ユーロ/米ドルの200日線は8月下旬のピークから緩やかに下降中です。それは、ユーロ/米ドルの中期的な方向性が下向き(ユーロ安・米ドル高)であることを示しています。

比較的大きなユーロ/米ドルのリバウンドが起きた際、その上限はおそらく、200日線のレベル(現在は1.18ドル台前半)とみられます。

さらに長期スパンでは、今年2月から徐々に水準を切り下げ始めた200ヵ月線(16年8ヵ月線)に注目できます。
2014年までは、200ヵ月線の水準はユーロ/ドルにとっては強いサポートレベルでした。ところが2015年以降は一転して、ユーロ/ドルの上限として役割を変えています。
非常に大きな捉え方をすると、この先何年もの期間にわたり、200ヵ月線はユーロ/ドルの上値の重しになる可能性があるでしょう。
ユーロ/米ドル月足エリオット波動カウント
1.10ドルを下回った場合のメドは?
最後にユーロ/米ドルが当面の目標値(1.1100~1.1000ドル)を、このまま通過してしまう場合に備え、次の下値メドをあげておきましょう。

目安として、2017年1月安値と2020年3月安値を連結した、やや右肩上がりのサポートラインに注目できます。今から1年間の期間(2022年末まで)でみると、このラインは1.08~1.09ドルに位置すると見込まれます。また、このラインの直下には、2020年3月に付けた安値(1.06255ドル)があります。

こうみると、1.10ドルの下では、1.09~1.06ドルが強いサポートレベルとなりそうです。
もちろんメインシナリオは中長期のユーロ/ドル安です。とはいえ、今後1年以内に一気にパリティを割れるかといえば、その可能性は今のところ高いとはいえないでしょう。

エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。


topへ