米PCEデフレーターに注目、市場が反応しそう

2022/05/27 08:48

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米PCEデフレーターの結果を受けてFRBの利上げ観測は変化するか
・TCMB(トルコ中銀)は政策金利を据え置く
・TCMB声明を見る限り、利上げする雰囲気なし!?

(欧米市場レビュー)

26日の欧米時間の外為市場では、ユーロが堅調に推移。一時、ユーロ/円は136.574円、ユーロ/米ドルは1.07266ドル、ユーロ/英ポンドは0.85243ポンドへと上昇しました。ユーロ買いにつながるような新たな材料は見当たらず、ポジション調整が中心とみられます。

メキシコペソも堅調。メキシコペソは対米ドルで一時1カ月半ぶりの高値をつけ、対円では6.413円へと上昇しました。メキシコの3月小売売上高が前年比3.8%と、市場予想の2.7%を上回ったことや、BOM(メキシコ中銀)議事録(5月12日会合分)でインフレを強く警戒する姿勢が示され、メキシコペソの支援材料となりました。

BOM議事録によると、会合では「5人の政策メンバー全員が、22年と23年のインフレ期待は大幅に上昇した」と指摘。議事録ではまた、「ほとんどのメンバーが、予測期間内のインフレの軌道に対するリスクバランスは依然として上方に偏っており、悪化し続けているとの認識を示した」ことも明らかになりました。

TCMB(トルコ中銀)は、政策金利を14.00%に据え置くことを決定しました(詳細は後述)。

(本日の相場見通し)

米国の4月PCE(個人消費支出)デフレーターが本日発表されます(日本時間21:30)。FRBはインフレ指標としてPCEデフレーターを重視しているため、その結果に市場が反応する可能性があります。

PCEデフレーターの市場予想は、総合指数が前年比6.2%、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は同4.9%。いずれも上昇率は前月(6.6%、5.2%)から鈍化するとみられています。

市場では、FRBは次回6月14-15日に0.50%の利上げを行い、FRBの政策金利は22年末までに2.50~2.75%へと上昇するとの見方が有力です(現在の政策金利は0.75~1.00%)。

PCEデフレーターが市場予想を下回る結果になれば、利上げ観測が後退して米ドルが軟調に推移する可能性があります。

米国など主要国の株価動向にも注目です。FRBの利上げ観測が後退することは、株価にとってプラス材料と考えられます。主要国の株価が堅調に推移すれば、円安圧力や米ドル安圧力(対円以外)が加わる可能性があります。米ドル/カナダドルは引き続き1.27123カナダドル(5/5安値)が下値メドです。

***

TCMB(トルコ中銀)は26日に政策会合を開き、政策金利を14.00%に据え置くことを決定しました。政策金利の据え置きは、5会合連続です。

TCMBは声明で、最近のインフレ加速について「地政学的な動向によるエネルギー価格の上昇、そして経済のファンダメンタルズに裏付けられていない価格形成(トルコリラ安)の一時的な影響によって引き起こされたものだ」と指摘。そのうえで、政策金利を据え置いた理由を「ベース効果(※)やウクライナでの紛争解決のほか、持続可能な物価と金融の安定のためにとられた措置を背景に、ディスインフレ(インフレ率の鈍化)のプロセスが始まると予想されるため」と説明しました。

(※)ベース効果:比較対象である前年の水準が高い(低い)ために、CPI上昇率が低下(上昇)すること。

トルコの4月CPI(消費者物価指数)は前年比69.97%でした。インフレ加速にもかかわらずTCMBが利上げをしないことが、足もとのトルコリラ安の一因となっています。

今回の声明を見る限り、TCMBが利上げする雰囲気は感じられません。トルコリラには引き続き下押し圧力が加わりやすいと考えられ、トルコリラ/円は一段と下落する可能性があります。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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