カナダドル:CPI発表、BOCの利上げ観測は強まるか

2022/05/18 09:22

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・市場では、BOC(カナダ中銀)は6月に0.50%利上げするとの観測
・RBA(豪中銀)は5月3日の会合で0.40%の利上げも検討
・RBAは議事録で6月の追加利上げを示唆

(欧米市場レビュー)

17日の欧米時間の外為市場では、が軟調に推移。一時、米ドル/円は129.749円、ユーロ/円は136.629円、豪ドル/円は91.100円、カナダドル/円は101.059円へと上昇しました。米国株が堅調に推移するなか、リスクオン(リスク選好)の動きが強まり、円に対して下押し圧力が加わりました。

米ドルは対円以外で軟調。円と同様にリスクオンの動きが米ドルの重石となり、一時米ドル/カナダドルは1.28074カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.05501ドル、豪ドル/米ドルは0.70349米ドルへと上昇しました。

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RBA(豪中銀)議事録が公表されました。今回は5月3日の政策会合分の議事録で、会合では0.25%の利上げを行うことが決定されました(政策金利は0.10%から0.35%へ)。

議事録によると、会合では利上げ幅について0.15%・0.25%・0.40%の3つの選択肢が検討されました。政策メンバーは0.15%の利上げについて「政策が極めて刺激的であることや今後さらなる利上げが必要になる可能性が高いことを考えると好ましい選択肢ではなく、また政策金利は0.25%単位で変更するという過去の例とも一致しない」と判断。0.40%の利上げも検討したものの、「パンデミックという異例の期間の後、通常の(政策)運営へと回帰していることを示すため利上げ幅を0.25%にすることでメンバーは一致した」としました。

議事録はまた、「豪州のインフレ率が徐々に目標へと戻ることを確実にするため、さらに利上げを行う必要がありそうだ」とし、「理事会(政策会合)は毎月開催されるため、追加情報に基づいて比較的短期間で(政策)金利の設定を見直す機会がある」と指摘。次回6月7日の会合での追加利上げを示唆しました。

市場は、次回会合で0.25%の利上げが行われることを完全に織り込んでいます。豪州の1-3月期賃金コスト指数(本日18日発表)や1-3月期GDP(6/1)が強い結果になれば、より大幅な利上げ観測が市場で強まるかもしれません。利上げ観測が強まることは、豪ドルにとってプラス材料です。

(本日の相場見通し)

17日の米株式市場では、主要3株価指数がいずれも上昇。ダウは前日比431.17ドル(1.34%)高の32,654.59ドルで取引を終え、ナスダックは同321.73ポイント(2.76%)高となり、S&P500は同80.84ポイント(2.02%)上昇しました。米国の4月小売売上高(除自動車)が前月比0.6と、市場予想の0.4%を上回ったことを受け、米景気をめぐる懸念が後退し、株価の支援材料となりました。

本日は、米国など主要国の株価動向に注目。主要国の株価が上昇すれば、リスクオンの動きが一段と強まる可能性があります。その場合、米ドル(対円以外)が軟調に推移してクロス円や豪ドル/米ドルは上昇し、米ドル/カナダドルは下落しそうです。

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BOC(カナダ中銀)はインフレを抑制するため3月に0.25%、4月に0.50%の利上げを行いました。

BOCは今後も利上げを続ける姿勢を示しており、市場では次回6月1日の政策会合で0.50%の利上げが行われ、BOCの政策金利は22年末までに3.00%へと上昇するとの見方が有力です(現在の政策金利は1.00%)。

カナダの4月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間21:30)。

CPIの市場予想は以下の通り。BOCのインフレ目標は「2%を中心に1~3%のレンジ」です。
( )は前回3月
・総合CPI:前年比6.7%(6.7%)
・CPI共通値:同2.9%(2.8%)
・CPIトリム値:市場予想なし(4.7%)
・CPI中央値:市場予想なし(3.8%)

CPIが強い結果になれば、BOCの利上げ観測が一段と強まってカナダドル高材料になりそう。カナダドル/102.899(4/21高値)が上値メド、米ドル/カナダドル1.27123カナダドル(5/5安値)が下値メドです。

本日はまた、ユーロ圏の4月CPI改定値が発表されます。(日本時間18:00)。その結果にユーロが反応する可能性があります。

市場では、ECB(欧州中銀)は早ければ7月にも利上げを開始するとの観測があります。ユーロ圏のCPIが市場予想の前年比7.5%を上回る結果になれば、利上げ観測が強まってユーロの支援材料になる可能性があります。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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