米FRB当局者の発言が材料に!?

2022/05/17 08:58

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・FRBの利上げ観測は一段と強まるか
・ECB総裁の講演を受けて7月の利上げ観測は一段と強まるか

(欧米市場レビュー)

16日の欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は129円近辺、米ドル/カナダドルは1.28360カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.04374ドル、豪ドル/米ドルは0.69769米ドルへと上昇しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下し、米ドルに対する下押し圧力となりました。

(本日の相場見通し)

本日は、FRB当局者の発言機会が多くあります。パウエルFRB議長はイベントに、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は討議に参加する予定。ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁やブラード米セントルイス連銀総裁、エバンズ米シカゴ連銀総裁は講演し、メスター米クリーブランド連銀総裁はオンラインフォーラムで開会の辞を述べます。FOMCにおいてパウエル議長は常に投票権を持ち、メスター総裁とブラード総裁は22年のFOMCで投票権があります。また、ボストン連銀総裁が現在空席のためハーカー総裁は暫定的に投票権を持っています(7月1日にボストン連銀の新総裁が就任)。

FRBは3月に0.25%、5月に0.50%の利上げを行いました。インフレの抑制に向けてFRBは今後も利上げを続けると市場はみており、CMEグループのFEDウォッチによると、13日時点で市場が織り込む、FRBが次回6月14-15のFOMCで0.50%幅の利上げを行う確率は86.4%(0.75%幅は13.6%)。FRBの政策金利は22年末までに2.75~3.00%へと上昇するとの見方が市場では有力です(現在の政策金利は0.75~1.00%)。

市場の利上げ観測を一段と強める発言をパウエル議長らがすれば、米国の長期金利が上昇する可能性があります。その場合、米ドルが堅調に推移しそうです。

一方で、米長期金利の上昇は米国株にとってマイナス材料になると考えられます。米国株が大きく下落するようであれば、リスクオフ(リスク回避)の動きが市場で強まるかもしれません。その場合には米ドル(対円以外)が堅調に推移し、クロス円は下落して米ドル/カナダドルは上昇する可能性があります。米ドル/カナダドルは、1.30752カナダドル(5/12高値)が目先の上値メドです。

本日はまた、ラガルドECB(欧州中銀)総裁が講演します。ECBは早ければ7月にも利上げを開始するとの観測が市場にあるなか、ラガルド総裁の講演がその観測を補強する内容になれば、ユーロ高材料になる可能性があります。目先の上値メドとして、ユーロ/138.257(5/9高値)、ユーロ/英ポンド0.86138ポンド(5/12高値)が挙げられます。ECBの次回理事会は6月9、その次は7月21です。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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