米ドル/円は115円台への上昇も⁉ 米長期金利に注目

2022/01/27 09:30

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・BOC(カナダ中銀)は政策金利を据え置いたものの、3月にも利上げを行うことを示唆
・米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇すれば米ドル高が進みそう
・ウクライナ情勢が一段と緊迫化すれば、ユーロに下押し圧力か。リスクオフの可能性も
・本日SARB(南アフリカ中銀)会合、追加利上げが示唆されるかどうか

(欧米市場レビュー)

26日の欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は114.646円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.12336ドル、豪ドル/米ドルは0.70961米ドル、NZドル/米ドルは0.66374米ドルへと下落しました。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長のタカ派的な発言を受けて米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇し、米ドル高材料となりました。※詳しくは、本日27日の『ファンダメ・ポイント』[米FOMC、パウエル議長がタカ派発言を連発⁉]をご覧ください。

FOMC(米連邦公開市場委員会)は、政策金利を0~0.25%に据え置くことを決定。声明では、「利上げをすることが間もなく適切になる」との見方を示しました。

*******

BOC(カナダ中銀)は政策金利を0.25%に据え置くことを決定。マックレムBOC総裁は会合後の会見で政策金利を据え置いた理由を「オミクロン株の急速な(感染)拡大が第1四半期(1-3月期)に(カナダの)消費を抑えることに留意した」と説明しました。

BOCは一方で、3月2日の次回会合にも利上げを行うことを示唆。声明では、「経済のスラック(需給の緩み)は吸収された」との見方を示し、これまでの「経済のスラックが吸収されるまで政策金利を実効下限(0.25%)に維持するとのフォワードガイダンスは終了する」と表明。「BOCは将来的に政策金利を引き上げる必要があると予想している」とし、「利上げのペースとタイミングは2%のインフレ目標を達成するというBOCのコミットメントに導かれる」としました。マックレム総裁は会見で「(カナダの)インフレ率は不快なほど高い」と述べ、「BOCは利上げの軌道に乗るということを予想すべきだ」と語りました。カナダの21年12月のCPI(消費者物価指数)上昇率は前年比4.8%と、1991年9月以来の高い伸びを記録しました。
 ***
BOCの政策金利の発表後、カナダドルが下落しました。今回の会合で0.25%の利上げが行われるとの見方も市場にあったためとみられます。ただ、BOCが3月にも利上げを行うことを示唆したことは、本来カナダドルにとってプラス材料と考えられます。政策金利が据え置かれたことによるカナダドル売りは、長続きしない可能性があります。

(本日の相場見通し)

米国の長期金利(10年物国債利回り)は26日、約1週間ぶりに1.80%を超え、一時1.87%台へと上昇しました。本日は米長期金利の動向に注目です。FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ観測を背景に米長期金利は一段と上昇する可能性があります。その場合には米ドル高が進み、米ドル/円は上値を試してユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは下押ししそうです。米ドル/115円台に定着するかもしれません。※ユーロ/米ドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ユーロ/米ドル、もう一段の下押しとなるか]をご覧ください。

米国の21年10-12月期のGDP(国内総生産)が本日発表されます(日本時間22:30)。GDPが市場予想の前期比年率5.5%を上回る結果になれば、米長期金利の上昇要因になる可能性があります。

一方で、米国など主要国の株価動向には要注意です。長期金利の上昇は株価にとってマイナス材料になりうると考えられるからです。主要国の株価が下落する場合、リスクオフ(リスク回避)の動きが市場で強まるかもしれません。リスクオフは円高材料や米ドル高(対円以外)材料です。

ウクライナ情勢にも注意が必要です。ウクライナ情勢に関するロシアの要求に米国は文書で回答。NATO(北大西洋条約機構)をこれ以上東方に拡大しないとの確約を求めるロシアの要求を米国は拒否したもようです。ウクライナをめぐる緊張が一段と高まる場合には、地理的に近いユーロに対して下押し圧力が加わりそうです。また、リスクオフの動きが強まる可能性もあります。

***

本日、SARB(南アフリカ中銀)が政策金利を発表します(日本時間午後10時過ぎ)。

SARBは21年11月の前回会合で0.25%の利上げを行い、現在の政策金利は3.75%です。南アフリカの21年12月CPI(消費者物価指数)は前年比5.9%と、11月の5.5%から上昇率が加速し、17年3月以来の高い伸びを記録。SARBのインフレ目標レンジ(3~6%)の上限に接近しました。

インフレ圧力の強さが確認されたことを受け、SARBは本日の会合で0.25%の追加利上げを行うことを決定するとみられます。その通りの結果となり、クガニャゴSARB総裁の会見でさらなる利上げが示唆されれば、南アフリカランド/円の支援材料になりそうです。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


topへ