市場はリスクオフ、NYダウは一時1,000ドル超下落から反発

2022/01/25 07:21

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・外為市場は米ドル、円、ユーロが上昇し、リスクオフの展開
・米FOMCを控え、景気失速懸念、ウクライナ情勢などが背景
・NYダウは一時1,000ドル超下落したものの、前日比プラスで終了

(欧米市場レビュー)

24日の外国為替市場では、米ドル>ユーロ≧円の順で安全通貨が上昇しました。一方で、資源・新興国通貨は総じて軟調でした。NYダウが一時1,000ドル超下落するなど、リスクオフの展開でした。「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数が急上昇し、一時20年10月以来となる40.0に接近しました。

ただし、NY市場の引けにかけて、NYダウ、S&P500、ナスダック指数の主要3株価指数がいずれも反発し、前日比プラスに転換。VIX指数も30割れまで低下、上述の安全通貨もやや軟調となり、資源・新興国通貨は南アフリカランドを除いて前日とあまり変わらない水準まで戻しました。

市場でリスクオフが強まった背景は、直接的には1月のマークイットPMI総合指数(製造業+サービス業)が50.8と前月(57.0)から急低下し、20年春のコロナ・ショック直後の同年7月以来の水準となったこと。50.0が景気拡大と縮小の境目とされています。オミクロン株の感染拡大による米景気の失速が意識されました(ドイツのマークイットPMIサービス指数は48.0と、前月の52.2から50割れ)。

その他、25-26日の米FOMCを控えて様子見気分が強いなか(≒流動性の低下)、米政府が大使館員家族の退避命令を出すなどウクライナ情勢の緊迫化がリスクオフを促したようです。それでも、米株主要3株価指数が前日比プラスで終了したことは株式市場の地合いの強さを示しているのかもしれません。

(本日の相場見通し)

引き続き米FOMCの結果判明前にあたり、方向感の見出しにくい展開となりそうです。そうしたなか、米国防総省は一部の部隊がNATO(北大西洋条約機構)支援の準備態勢を高めたと発表。また、バイデン大統領は独仏などの欧州首脳とオンライン会議を行った模様です。ウクライナ情勢が緊張の度合いを強めれば、市場でリスクオフが再び強まる可能性もあるでしょう。引き続き主要株価指数の動向にも要注目です。

本日は日本時間午前9時30分に豪州の10-12月期CPIが発表されます。前年比3.2%と前期の同3.0%から加速が予想されています。27日のNZの10-12月期のCPIとともに、金融政策見通しの変化を通じて豪ドルやNZドルに影響を与える可能性があります。

ドイツの1月IFO企業景況感指数(日本時間午後6時)、米国の1月コンファレンスボード大学消費者信頼感指数(同26日午前0時)も注目されます。いずれも小幅悪化が予想されています。オミクロン株の感染拡大を背景に(欧州では規制緩和の動きもありますが)、市場は企業や消費者のセンチメントの変化に神経質になっていると思われます。とりわけ、センチメントが大きく悪化する場合に、市場でリスクオフのムードが強まりそうです。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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