トルコリラ:TCMB(トルコ中銀)が為替介入を実施

2021/12/02 09:15

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・主要国の株価動向やオミクロン株に関する報道に引き続き注目
・本日2日、OPECプラス会合。増産方針を維持するかどうかが焦点
・TCMBが介入したことでトルコリラは目先下げ渋る可能性も
・トルコリラが上昇傾向に転じるためにはTCMBの利上げが必要か

(欧米市場レビュー)

12月1日の欧米時間の外為市場では、が堅調に推移。一時、米ドル/円は112.668円、ユーロ/円は127.565円、豪ドル/円は79.993円、NZドル/円は76.697円へと下落しました。新型コロナウイルスのオミクロン株の感染者が米国で確認されたことやNYダウが下落したことで、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まり、円高材料となりました。

TCMB(トルコ中銀)は「為替レートの不健全な価格形成があったため、(外貨の)売り取引を通じて市場に直接介入した」と発表。TCMBが為替介入を実施したことを受けてトルコリラが上昇し、トルコリラ/円は一時9.049円へと値上がりしました。しかしその後、エルドアン・トルコ大統領が「高金利を決して支持しない」と述べると、トルコリラは上げ幅を縮小しました。

(本日の相場見通し)

主要国の株価動向新型コロナウイルスのオミクロン株に関する報道(感染拡大の状況や各国の対応、ワクチンの有効性など)に引き続き注目です。株価が軟調に推移する、あるいはオミクロン株の感染がさらに拡大すれば、リスクオフの動きが一段の強まる可能性があります。リスクオフは円高や米ドル高(対円以外)要因です。

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OPEC(石油輸出国機構)加盟国と非加盟主要産油国で構成する「OPECプラス」は本日、閣僚級会合を開く予定です。

OPECプラス会合では、「毎月日量40万バレルずつ増産(=協調減産の規模を縮小)する」との方針を維持するか否かが焦点になりそうです。市場ではこの方針が維持されるとの見方が有力なものの、米国などが石油備蓄の放出を決定したことやオミクロン株の感染拡大を受けてOPECプラスは増産を停止するとの観測も市場にはあります。

毎月日量40万バレルずつ増産するとの方針が維持されれば、原油価格(米WTI原油先物など)が下落する可能性があり、その場合にはカナダドルメキシコペソは軟調に推移しそうです。

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TCMBは昨日、為替介入(外貨売り/トルコリラ買い)を実施しました。TCMBは2018~2019年に国営銀行を通じて間接的に介入を行っていたとみられるものの、直接介入は2014年1月以来です。

TCMBが為替介入を行ったことでトルコリラはいったん下げ渋るかもしれません。ただ、為替介入はあくまで一時しのぎの措置であり、トルコリラが上昇傾向に転じるためにはTCMBが利上げを行う必要があると考えられます。2014年の時は為替介入ではトルコリラは下げ止まらず、TCMBは結局緊急利上げ(政策金利は4.50%から10.00%へ)に追い込まれました。

TCMBが利上げしない限り、トルコリラはいずれ対米ドルや対円で最安値を更新する可能性があります。エルドアン大統領は利上げに否定的な発言を繰り返しており、利上げは簡単ではなさそうです。

本日朝(日本時間)、「エルドアン大統領はエルバン財務相を解任した」と報じられました。その報道も今後トルコリラ安材料になる可能性があります。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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