トルコリラ/円はTCMB会合に注目!追加利下げか

2021/10/21 09:35

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・TCMB(トルコ中銀)会合では、利下げ幅が焦点
・TCMBの利下げ幅が市場予想を上回れば、トルコリラが下落しそう
・中国恒大集団は子会社の売却交渉を中止。デフォルトへの懸念が強まりそう
・香港株式市場では恒大集団株の取引再開。同社株の動向は⁉

(欧米市場レビュー)

20日の欧米時間の外為市場では、カナダドルが堅調に推移。カナダドル/円は一時92.859円へと上昇し、2015年11月以来の高値を更新しました。カナダの9月CPI(消費者物価指数)が前年比4.4%と、市場予想の4.3%を上回り、カナダドルの支援材料となりました。前年比4.4%は2003年2月以来の高い伸びとなり、BOC(カナダ中銀)のインフレ目標の中央値である2%を7カ月連続で上回りました。

※カナダドル/円のテクニカル分析は、本日21日の『テクニカル・ポイント』[カナダドル/円、2015年11月以来の高値を示現!]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

本日、TCMB(トルコ中銀)が政策会合を開きます(会合の結果は日本時間20時に発表)。

TCMBは9月23日の前回会合で1.00%の利下げを行うことを決定。政策金利を19.00%から18.00%へ引き下げました。

トルコの9月総合CPI(消費者物価指数)は前年比19.58%と、2019年3月以来の高い伸びを記録。食品やエネルギーなど変動の大きい項目を除いたコアCPIは同16.98%と、8月の16.76%から加速しました。

インフレ圧力が強い状況にもかかわらず、TCMBは本日の会合で追加利下げに踏み切りそうです。エルドアン・トルコ大統領は「金利が下がれば、インフレ率は下がる」というのが持論。以前からTCMBに対して利下げを求めており、9月の利下げはエルドアン大統領の圧力によるものとみられます。10月14日には、TCMBの金融政策委員会のメンバー3人(副総裁2人、政策委員1人)がエルドアン大統領によって解任されました。解任されたメンバー3人のうち2人は9月の会合で利下げに反対したとの報道があり、報道が事実ならば金融政策委員会には利下げに反対するメンバーはいなくなったと考えられます。

市場は、本日の会合で追加利下げが決定されると予想。焦点は利下げ幅になりそうです。利下げ幅については、市場では1.00%との見方が有力です。1.00%を上回る幅の利下げが決定されれば、トルコリラは下落するとみられます。対米ドルで過去最安値を更新し、対円(トルコリラ/円)では11.998(2020年11月につけた過去最安値)に向かって下がりそうです。

TCMBが政策金利を据え置けばサプライズとなり、トルコリラは上昇しそうです。ただし、エルドアン大統領の対応には要注意です。カブジュオール総裁の解任へと動く可能性があります。カブジュオール総裁が解任されれば、TCMBの独立性をめぐる懸念が一段と高まり、トルコリラには下押し圧力が強く加わるとみられます。

TCMBの政策金利とトルコのCPI

※トルコリラ/円については、20日収録の「M2TV・マーケットView」[トルコリラ/円は最安値更新も・・・ TCMB会合に注目!]もご覧ください。

***

中国恒大集団(中国の不動産開発大手)は20日、不動産管理子会社の恒大物業集団の売却交渉を中止したと発表しました。米ドル建て社債の利払い猶予期限が23日に迫るなか、売却交渉が中止されたことによって恒大集団のデフォルト(債務不履行)への懸念が市場で強まりそうです。

香港株式市場では、恒大集団株の取引が本日再開されます。同社株は9月末に2.95香港ドルをつけた後から取引が停止されていました。恒大集団株が大幅に下落すれば、リスクオフ(リスク回避)の動きが市場で強まる可能性があります。リスクオフは円高材料や米ドル高(対円以外)材料と考えられます。

※恒大集団をめぐる懸念については、以下の『ファンダメ・ポイント』で詳しく解説していますのでご覧ください。
中国恒大の破たん危機、中国当局の対応は?(9月21日)
中国恒大がクロスデフォルト?(10月8日)
中国恒大アップデート、運命の23日!?(10月18日)

◆本日のキーワード
中国恒大集団
英名エバーグランデ。中国第2位の不動産関連コングロマリット。負債は3,000億ドル。資金繰りが悪化し、9-10月の米ドル建て債券の利払いを履行せず。経営破たんが懸念される。10月23日までに猶予された利払いを履行しなければ、デフォルト(債務不履行)認定も。苦境の背景に、中国当局が不動産市場の規制を強化したことがあり、他の不動産関連会社も経営は厳しく、金融市場全体への影響も懸念されている。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


topへ