トルコリラ/円が過去最安値に接近

2021/10/19 09:25

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米国の長期金利や短期金利の動向に注目
・米WTI原油先物が7年ぶりの高値。カナダドル/円やメキシコペソ/円は堅調に推移しそう
・TCMB(トルコ中銀)の独立性をめぐる懸念がトルコリラへの下押し圧力に
・TCMBが21日の会合で追加利下げに踏み切るとの観測もトルコリラの重石
・トルコリラ/円は過去最安値(11.998円)を更新する可能性あり

(欧米市場レビュー)

18日の欧米時間の外為市場では、NZドルが強含み。一時、NZドル/円は80.969円、NZドル/米ドルは0.70829米ドルへと上昇し、豪ドル/NZドルは1.04586NZドルへと下落しました。NZの7-9月期CPI(消費者物価指数)が前年比4.9%と、市場予想の4.1%を上回ったことを受け、RBNZ(NZ中銀)は11月24日の次回政策会合で追加利上げに踏み切るとの観測が市場で高まり、NZドルの支援材料となりました。

(本日の相場見通し)

米国の長期金利(10年物国債利回り)は18日、一時1.62%台後半へと上昇して12日以来の高水準をつけました(その後1.59%台へと低下)。FRB(米連邦準備制度理事会)は11月にもテーパリング(量的緩和の縮小)の開始を決定する可能性があることから、米長期金利は引き続き堅調に推移するとみられます。

米長期金利の上昇は米ドル高材料と考えられるものの、最近の市場は長期金利以上に米国の短期金利(2年物国債利回り)に反応しやすくなっているようです。米短期金利の動向にも注目です。※詳しくは、本日19日の『ファンダメ・ポイント』[米短期金利と米ドル/円]をご覧ください。

米長期金利や短期金利が上昇すれば、米ドル/114.690(2017/11高値)を超える可能性があります。

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原油価格の代表的な指標であるWTI原油先物の11月物は18日、前営業日比0.16ドル高の1バレル=82.44ドルで取引を終了。世界経済の回復によって需要が増加して原油の需給がひっ迫するとの懸念が支援材料となり、WTI原油先物は一時83.87ドルへと上昇。中心限月としては、2014年10月以来、7年ぶりの高値をつけました。

足もとのカナダドル/円やメキシコペソ/円上昇の主因として原油高が挙げられます。原油高が一段と進めば、カナダドル/93.210(2015/11高値)に向かって上昇し、メキシコペソ/5.6円台に定着するかもしれません。

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トルコリラは18日、対米ドルで過去最安値を更新。対円(トルコリラ/円)では一時12.196円へと下落し、2020年11月以来、約11カ月ぶりの安値をつけました。

14日にエルドアン・トルコ大統領がTCMB(トルコ中銀)のMPC(金融政策委員会)のメンバー3人を解任して以降、トルコリラへの下押し圧力は一段と強くなっています。今回の解任によってTCMBの独立性をめぐる懸念がさらに強まったほか、エルドアン大統領が求める利下げに反対するメンバーはMPC内にいなくなったと考えられるからです。市場では、TCMBは21日の次回政策会合で追加利下げに踏み切るとの観測が高まっています。利下げ幅については1.00%との見方が有力です。

トルコリラは対米ドルや対円でさらに下落しそうです。トルコリラ/は堅調な米ドル/円に下支えされているものの、いずれ11.998(2020年11月につけた過去最安値)を割り込む可能性があります。

※トルコリラ/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[トルコリラ/円、最安値更新となるか] をご覧ください。

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執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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