各中銀の判断は? 本日BOE、TCMB、SARB会合

2021/09/23 09:00

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・中国恒大集団に関する報道に要注意
・BOE(英中銀)政策メンバーの投票行動と声明の内容
・TCMB(トルコ中銀)は政策金利を据え置くとみられるが、利下げする可能性も排除できず
・SARB(南アフリカ中銀)総裁の会見などを受けて利上げ観測が高まるか否か

(欧米市場レビュー)

22日の欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は109.853円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.16824ドル、英ポンド/米ドルは1.36194ドル、NZドル/米ドルは0.69837米ドルへと下落しました。FOMC(米連邦公開市場委員会)の声明で11月のテーパリング(量的緩和の縮小)開始の決定が示唆されたことや、FOMC参加者による政策金利見通し(ドット・プロット)で2022年中の利上げ開始の可能性が示されたことが、米ドルの支援材料となりました。

※米FOMCの結果やFRB議長の会見、ドット・プロットについて詳しくは、本日23日の『ファンダメ・ポイント』[米FOMC、11月にテーパリング、22年中に利上げ?]をご覧ください。

米議会下院は21日、「12月3日までの継続予算と、2022年12月16日までデットシーリング(連邦政府の法定債務上限)を停止する措置を一体化した法案」を可決しました。

法案は今後上院で審議されるものの、上院の議席数は民主党と共和党のいずれも50議席。共和党はデットシーリングの停止に反対する方針を示しています。

※継続予算とデットシーリングの法案について詳しくは、22日の『ファンダメ・ポイント』[米下院、継続予算とデットシーリングの法案を採決へ]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

※本日は、日本が祝日。市場参加者が減少して流動性が低下する分、値動きが増幅される可能性がありますのでご注意ください。

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中国恒大集団(中国の不動産開発大手)の主要子会社である恒大地産集団は22日、「23日に期日を迎える人民元建て社債の利払いについて(問題は)解決した」と発表。この発表を受けて、市場では中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)への懸念はいったん後退しました。

ただ、同じく23日に期限を迎える「米ドル建て社債の利払い(8350万米ドル)」についてどのように対応するのかを中国恒大集団は明らかにしていません。さらに29日には、米ドル建て社債の利払い(4750万米ドル)も期日を迎えます。

中国恒大集団をめぐる懸念は再燃する可能性があり、その場合にはリスクオフ(リスク回避)の動きが市場で強まって円高や米ドル高(対円以外)が進みそうです。豪ドル/は目先の下値メドとして、77.843(8/20安値)が挙げられます。

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本日、BOE(英中銀)とTCMB(トルコ中銀)、SARB(南アフリカ中銀)の政策会合が開かれます。それらの結果が材料になる可能性があります。

<BOE>結果発表:日本時間午後8
政策金利(現在0.10%)と資産購入プログラム(同8950億英ポンド)のいずれも据え置かれそうです。

注目は、資産購入プログラムに関する政策メンバーの投票行動です。8月5日の前回会合では、7対1で資産購入プログラムの現状維持が決定されました(決定に反対した1人は、規模の縮小を主張)。プログラムの規模の縮小を主張した委員が増え、さらに声明がタカ派的な内容になれば、英ポンド高が進む可能性があります。ユーロ/英ポンドは目先、0.84486ポンド(8/10安値)が下値メド、上値は200日移動平均線(9/23時点で0.86575ポンド)がメドです。

<TCMB>結果発表:日本時間午後8
トルコの8月総合CPI(消費者物価指数)は前年比19.25%。コアCPIは同16.76%でした。インフレ圧力の強さをみれば、政策金利は19%に据え置かれそうです。その場合、トルコリラ/円は上昇しそうです。ただ、TCMBの声明がタカ派的な姿勢を弱めたと受け取れる内容になれば、トルコリラ/の上昇は長続きしないかもしれません。

一方で、カブジュオールTCMB総裁の最近の発言(※)や、エルドアン大統領のTCMBへの利下げ圧力を考えると、利下げする可能性も排除できません。もし利下げすれば、トルコリラには強い下押し圧力が加わるとみられます。トルコリラ/はいずれ12.250(6/2安値)割れを試しそうです。

※カブジュオール総裁は9月8日、「(TCMBの)金融政策スタンスはインフレ率を引き下げるのに十分引き締め的だ」と指摘し、「コアインフレ率の重要性が増している」と語りました。トルコの総合CPI上昇率はTCMBの政策金利を上回っている一方、コアCPI上昇率は政策金利を下回っています。コアCPI上昇率に着目すれば、TCMBには利下げ余地があるとの見方が可能です。

トルコリラ/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[トルコリラ/円、TCMB会合結果が動意となるか]をご覧ください

<SARB>結果発表:日本時間午後10時過ぎ
政策金利は3.50%に据え置かれそうです。市場では、SARBが早ければ2022年1月に利上げを行うとの観測があります。会合で利上げを主張したメンバーがいる(前回7月の会合では、全会一致で政策金利の据え置きを決定)、あるいはクガニャゴSARB総裁の会見などで南アフリカのインフレを警戒する姿勢が強く示されれば、利上げ観測が市場で高まり、南アフリカランドの支援材料となりそうです。南アフリカランド/円の目先のメドとして、下値が7.101円(8/20安値)、上値は7.776円(9/10高値)が挙げられます。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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