トルコリラ:利下げへの警戒感から上値が重い展開か

2021/09/17 09:31

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・本日、米ミシガン大学消費者信頼感指数発表。米景気をめぐる懸念は一段と後退するか
・中国恒大集団の債務問題をめぐる報道には要注意
・トルコ大統領は「インフレ率を可能な限り早く下げる」と発言。 TCMBの利下げへの警戒感が高まりそう

(欧米市場レビュー)

16日の欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は109.783円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.17492ドル、豪ドル/米ドルは0.72686米ドルへと下落しました。米国の8月小売売上高が前月比0.7%、9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が30.7と、いずれも市場予想(マイナス0.8%、18.8)よりも良好な結果となったことを受け、米景気をめぐる懸念が後退し、米ドルの支援材料となりました。

※米小売売上高の結果について詳しくは、本日17日の『ファンダメ・ポイント』[米小売売上高は大幅増加、FOMCはどうなる?]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

本日、米国の9月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が発表されます(日本時間23:00)。市場予想は72.0と、8月の70.3から上昇するとみられています。

16日の小売売上高やフィラデルフィア連銀製造業景気指数に続いて、ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上回る結果になれば、米景気をめぐる懸念が一段と後退しそうです。その場合、米ドル高材料になる可能性があります。

中国恒大集団(中国の不動産開発大手)の債務問題をめぐる報道には注意が必要かもしれません。「中国恒大集団は、9月20日が期限の利払いができない見込みだと主要銀行に通知した」との報道があります。中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)への懸念が市場で高まる場合、リスク回避の動きが強まる可能性があります。リスク回避は円高や米ドル高(対円以外)の材料と考えられます。

***

エルドアン・トルコ大統領は16日、「トルコはインフレ率を可能な限り早く下げる」と述べました。

エルドアン大統領は「金利の敵」を自称しており、「金利を下げれば、インフレ率は下がる」が持論。以前からTCMB(トルコ中銀)に対して利下げ圧力を加えてきました。エルドアン大統領の16日の発言は、TCMBへの利下げ要求と考えることができます。

また、カブジュオールTCMB総裁は9月8日、「(TCMBの)金融政策スタンスはインフレ率を引き下げるのに十分引き締め的だ」と指摘。「コアインフレ率の重要性が増している」と語りました。TCMBはインフレ指標において、これまでは総合CPI(消費者物価指数)を重視する姿勢を示してきました。

トルコの8月総合CPIは前年比19.25%と、TCMBの政策金利の19.00%を上回った一方、コアCPIは同16.76%と、政策金利を下回りました。コアCPI上昇率(コアインフレ)の重要性をカブジュオール総裁が強調したことは、TCMBには利下げ余地があることを示唆しています。

TCMBの次回政策会合は9月23日。その会合での利下げへの警戒感からトルコリラは軟調に推移しそうです。トルコリラ/12.698(8/9安値)が目先の下値メドです。

TCMBの政策金利とトルコのCPI

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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