豪ドル/NZドルが2020年4月以来の安値を更新

2021/09/15 09:19

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・主要国の株価動向に注目。軟調に推移すれば円高や米ドル高の展開か
・RBA(豪中銀)総裁が市場の利上げ観測をけん制
・RBAとRBNZ(NZ中銀)の金融政策の方向性の違いが、豪ドル/NZドルの重石

(欧米市場レビュー)

14日の欧米時間の外為市場では、が堅調に推移。一時、米ドル/円は109.513円、ユーロ/円は129.361円、NZドル/円は77.585円、カナダドル/円は86.327円へと下落しました。米国株が軟調に推移するなか、リスク回避の動きが強まり、円の支援材料となりました。

豪ドルは軟調。一時、豪ドル/円は80.150円、豪ドル/米ドルは0.73106米ドル、豪ドル/NZドルは1.02976NZドルへと下落。豪ドル/NZドルは2020年4月以来の安値を更新しました。ロウRBA(豪中銀)総裁のハト派的な発言(後述)が豪ドルに対する下押し圧力となりました。

米国の8月CPI(消費者物価指数)の結果は、総合指数が前年比5.3%、コア指数は同4.0%でした。総合指数は市場予想(5.3%)通りだった一方、コア指数は市場予想の4.2%を下回りました。CPIの発表後に米ドルが下落したものの、下落は長続きしませんでした。

※米CPIの結果について詳しくは、本日15日の『ファンダメ・ポイント』[米CPI上昇率は鈍化、長期金利は小幅低下]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

14日の米株式市場で主要3株価指数は総じて下落。ダウは前日比292.06ドル安の34,577.57ドルで取引を終え、ナスダック(前日比67.82ポイント安)とS&P500(同25.68ポイント安)も下げました。

本日は米国など主要国の株価動向が材料になりそうです。株価が軟調に推移すれば、リスク回避の動きが一段と強まり、円高や米ドル高(対円以外)の展開になる可能性があります。その場合、ユーロ/米ドルやクロス円は下がりそうです。一方、米ドル/円については、米ドル買いと円買いの綱引きとなり、比較的落ち着いた値動きになるとみられます。米ドル/円は、約1カ月にわたり継続する“109円~110円台半ば”での上下動は当面続きそうです。

米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、三角保ち合い継続か]をご覧ください。

***

ロウRBA(豪中銀)総裁は14日の講演で、「賃金が伸び悩んでいることを考慮すると、2024年までに利上げする可能性は低い」との見通しを改めて示しました。

ロウ総裁はまた、「2022年、あるいは2023年初めの利上げを市場が織り込んでいる理由を理解するのは困難だ」と述べ、「この期間に他国では利上げが行われるかもしれないが、豪州の賃金やインフレ率の経緯は(他国とは)大きく異なる」と強調。市場の利上げ観測をけん制しました。

ロウ総裁のこれらの発言はハト派的と言えます。豪ドルは目先軟調に推移する可能性があり、とりわけRBNZ(NZ中銀)との金融政策の方向性の差が明確な対NZドル(豪ドル/NZドル)で下げやすいかもしれません。RBNZは年内の利上げ開始を示唆。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場はRBNZの次回政策会合(10/6)での利上げをほぼ織り込んでいます。そして、RBNZの政策金利(現在は0.25%)は年内に0.75%となり、2022年8月には1.50%へと上昇するというのが市場の有力な見方です。

豪ドル/NZドルの目先の下値メドとして、1.02000NZドル(2020/4安値)が挙げられます。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


topへ