豪ドル:豪景気の先行き懸念から軟調に推移か

2021/08/23 09:02

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米国など主要国の株価動向。株価が下落すればリスク回避の動きが強まる可能性あり
・米WTI原油先物が約3カ月ぶりの安値を更新。原油安がカナダドルやメキシコペソの重石に!?
・シドニーのロックダウンは1カ月延長され9月30日までに

(欧米市場レビュー)

20日の欧米時間の外為市場では、ユーロが堅調に推移。一時、ユーロ/米ドルは1.16989ドル、ユーロ/円は128.469円、ユーロ/英ポンドは0.85849ポンドへと上昇しました。週末ということもあり、ポジション調整が中心とみられます。

は弱含み。一時、英ポンド/円は149.749円、カナダドル/円は85.538円、NZドル/円は75.138円へと上昇しました。NYダウが堅調に推移するなか、リスク回避の動きが後退し、円の重石となりました。

(本日の相場見通し)

本日は、主要国、特に米国の株価動向に注目です。

米国の代表的な株価指数であるNYダウは20日に上昇(前日比225.96ドル高)したものの、新型コロナウイルスのデルタ株の感染が世界的に拡大しており、またFRB(米連邦準備制度理事会)による早期のテーパリング(量的緩和の縮小)開始観測があります。米国株の上昇は長続きしないかもしれません。

米国など主要国の株価が軟調に推移すれば、市場ではリスク回避の動きが強まり、円高や米ドル高(対円以外)が進む可能性があります。

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原油価格の代表的な指標であるWTI原油先物の9月物は20日、前日比1.37ドル安の1バレル=62.32ドルで取引を終了。下落したのは7営業日連続です。新型コロナウイルスのデルタ株の世界的な感染拡大を受け、世界の景気回復が鈍化して原油の需要が減少するとの懸念が引き続き下押し圧力となり、WTI原油先物は一時62.11ドルへと下落。期近物としては、約3カ月ぶりの安値を更新しました。

原油価格の下落は、カナダドルやメキシコペソにとってマイナス材料です。WTI原油先物が一段と下落した場合、両通貨は軟調に推移する可能性があります。目先、カナダドル/84.659(20日安値)、メキシコペソ/200日移動平均線(23日時点で5.336円)が下値メドです。

※メキシコペソ/円のテクニカル分析は、本日23日の『テクニカル・ポイント』[メキシコペソ/円、押し目買いがワークするか]をご覧ください。

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豪ニューサウスウェールズ州のベレジクリアン首相は20日、新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大を受け、シドニーで6月末から実施しているロックダウン(都市封鎖)を9月30日まで延長すると発表。ロックダウンは8月28日までの予定でした。

ベレジクリアン州首相はまた、シドニーで最も感染状況が深刻な12自治体のエリアを対象に8月23日から午後9時から午前5時までの夜間外出禁止令を導入するとも表明しました。

豪州では8月に入り、メルボルンやキャンベラでもロックダウンが行われています(いずれも9月2日までの予定)。

ロックダウンの影響によって豪経済は7-9月期にマイナス成長になるとみられ、ロックダウンの状況次第では10-12月期もマイナス成長になる可能性があります。

豪景気の先行きへの懸念から豪ドルには下押し圧力が加わりやすいと考えられます。目先の下値メドとして、豪ドル/米ドル0.69920米ドル(2020/11/2安値)、豪ドル/75.381(2020/11/19安値)、豪ドル/NZドル1.04184NZドル(8/17安値)が挙げられます。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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