RBNZ(NZ中銀)総裁は利上げに前向きな姿勢

2021/08/20 09:40

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・主要国の株価動向。軟調に推移すれば円高や米ドル高が進む可能性も!?
・米WTI原油先物が約3か月ぶりの安値。原油安はカナダドルやメキシコペソにとってマイナス材料
・NZ中銀総裁はロックダウンがなければ18日に利上げしていた可能性が高いと発言
ウェリントンでコロナの感染者を確認、NZのロックダウンは延長されるかどうか

(欧米市場レビュー)

19日の欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、ユーロ/円は127.885円、豪ドル/円は78.196円、ユーロ/米ドルは1.16631ドル、豪ドル/米ドルは0.71386米ドルへと下落しました。新型コロナウイルスのデルタ株が世界的に感染拡大し、また主要国の株価が下落するなか、リスク回避の動きが強まり、米ドル高や円高の材料となりました。

(本日の相場見通し)

本日は米国の主要な経済指標の発表はなく、主要国の株価動向が材料になりそうです。主要国の株価が軟調に推移した場合、円高や米ドル高(対円以外)が進んでユーロ/米ドルや豪ドル/米ドル、ユーロ/円や豪ドル/円は下落する可能性があります。一方、米ドル/円については、米ドル買いと円買いの綱引きとなり、比較的落ち着いた値動きになりそうです。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日20日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、当面レンジワークが継続しそう]をご覧ください。

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原油価格の代表的な指標であるWTI原油先物の9月物は19日、前日比1.77ドル安の1バレル=63.69ドルで取引を終了。新型コロナウイルスのデルタ株の世界的な感染拡大によって世界の景気が減速し、原油需要が減少するとの懸念が下押し圧力となりました。WTI原油先物は一時62.63ドルへと下落、期近物として約3カ月ぶりの安値をつけました。

WTI原油先物が一段と下落した場合、カナダドルやメキシコペソが軟調に推移しそうです。目先の下値メドとして、カナダドル/は心理的な節目である85.000メキシコペソ/200日移動平均線(20日時点で5.335円)があげられます。

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オアRBNZ(NZ中銀)総裁は昨日(19日)、「(新型コロナウイルスの)デルタ株によるロックダウン(都市封鎖)がなければ、18日の会合で利上げしていた可能性が高い」と発言。「現時点で最も後悔の少ない政策は、金融刺激策を一段と解除することだ」と語りました。

さらにオア総裁は本日、「雇用が最大化するなかでインフレ圧力が高まっている」と指摘。「金融政策を前進させ続ける必要があり、ロックダウンをめぐる不確実性が解消されるまで待つことはできない」と述べました。

NZではインフレ圧力が高まっており、4-6月期CPI(消費者物価指数)は前年比3.3%と、RBNZのインフレ目標(1~3%)を約10年ぶり(2011年7-9月期以来)に上回りました。また、NZの4-6月期の失業率は4.0%と、1-3月期の4.7%から大幅に改善し、2020年4-6月期以来の低水準でした。失業率の低下は賃金の上昇を通じてインフレ圧力を一段と高める可能性があります。

政策会合の前日(17日)にオークランドで新型コロナの感染者が確認されてロックダウン(※)が行われることになったことで、RBNZは18日の会合で政策金利を据え置きました。利上げのタイミングはコロナの感染状況次第と考えられるものの、オア総裁が利上げに前向きな姿勢を示したことは、NZドルにとってプラス材料です。

※NZ政府は17日、「オークランドとコロマンデルで7日間、その他の地域で3日間のロックダウン(都市封鎖)を実施する」と表明しました。

一方で、NZでは新型コロナの感染が拡大しつつあり、本日新たにウェリントンで2人の感染者が確認されました。アーダーンNZ首相は本日、ロックダウンを延長するか否かを判断するもようです。また、NZドルは投資家のリスク意識の変化を反映しやすいという特徴があります。

ロックダウンが延長される、あるいは主要国の株価が下落するなどしてリスク回避の動きが市場で強まる場合、NZドル/NZドル/米ドルは下押しするかもしれません。NZドル/73.559(1/18安値)が目先の下値メドです。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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