英中銀とトルコ中銀の政策会合に注目!!
2021/05/06 08:58
デイリーフラッシュ
【ポイント】
・英中銀は債券買い入れのペースを減速させるかどうか
・トルコ中銀の金融政策スタンス。利下げ観測が市場で高まるか否か
(欧米市場レビュー)
5日の欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は109.131円へと下落し、豪ドル/米ドルは0.77499米ドル、NZドル/米ドルは0.72116米ドルへと上昇しました。米国の4月ADP雇用統計が前月比74.2万人増、4月ISM非製造業景況指数が62.7と、いずれも市場予想(80.0万人増、64.3)を下回り、米ドルの重石となりました。
(本日の相場見通し)
本日、BOE(英中銀)が政策会合を開きます。会合の結果は、日本時間午後8時に発表されます。
政策金利(現行0.10%)と債券購入プログラムの規模(同8,950億英ポンド)はいずれも据え置かれそうです。ただ、BOEは債券購入プログラムの規模を維持しつつも、買い入れを今年末まで継続するために買い入れペースを減速させる可能性があります。※詳しくは、昨日5日の『ファンダメ・ポイント』をご覧ください。
買い入れペースの減速が発表されれば、英ポンドが堅調に推移しそうです。目先の上値メドとして、英ポンド/米ドルは1.40039ドル(4/20高値)、英ポンド/円は153.345円(4/6高値)が挙げられます。
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本日はTCMB(トルコ中銀)も政策会合を開きます。結果の発表は、BOEと同じ日本時間午後8時です。
トルコの4月CPI(消費者物価指数)上昇率は前年比17.14%と、前月の16.19%から加速し、2019年5月以来の高水準となりました。インフレ圧力の高まりを背景に、TCMBは前回会合に続いて政策金利を19.00%に据え置くとみられます。
その通りの結果になれば、声明文の内容に注目。声明文では、前回4月15日の会合時に示された「金融引き締めスタンスを維持する」姿勢や、「インフレ率が持続的に低下するまで、政策金利はインフレ率を上回る水準に設定する」との方針が示されるとみられます。その場合、トルコリラは底堅く推移しそうです。
市場では、「TCMBの次の一手は利下げであり、早ければ今年7-9月期にも利下げが開始される」との観測があります。
声明文がその観測を高める内容へと変化すれば、トルコリラに対して下押し圧力が加わりそうです。トルコリラ/円は12.694円(4/26安値)に向かって下がる可能性があります。
TCMB政策金利とトルコCPI上昇率
出所:リフィニティブより作成
執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。