米PCEデフレーター発表、米ドル高は一段と進むか⁉

2022/01/28 09:14

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・PCEデフレーターを受けて米FRBの利上げ観測が一段と高まるかどうか
・主要国の株価が下落するようならリスクオフの動きが強まる可能性も
・ウクライナ情勢には引き続き注意が必要
・SARB(南アフリカ中銀)は0.25%の利上げを決定。総裁会見はハト派的

(欧米市場レビュー)

27日の欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は115.444円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.11288ドル、豪ドル/米ドルは0.70191米ドル、NZドル/米ドルは0.65695米ドルへと下落。ユーロ/米ドルは20年6月初め以来、NZドル/米ドルは20年10月下旬以来の安値をつけました。26日のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長のタカ派的な発言を受けてFRBの利上げ観測が市場で高まっており、米ドル高材料となりました。米国の21年10-12月期のGDP(国内総生産)が発表され、結果は前期比年率6.9%と、市場予想の5.5%を上回りました。

※パウエルFRB議長の発言については、27日の『ファンダメ・ポイント』[米FOMC、パウエル議長がタカ派発言を連発⁉]をご覧ください。
※米GDPの結果については、本日28日の『ファンダメ・ポイント』[米GDPは6.9%、好調は見かけ倒し?]で詳しく解説しています。

SARB(南アフリカ中銀)は政策会合を開き、0.25%の利上げを行うことを決定。政策金利を3.75%から4.00%へと引き上げました。利上げは2会合連続。会合では5人の政策メンバーのうち4人が0.25%の利上げを支持し、1人は政策金利の据え置きを主張しました。

クガニャゴSARB総裁は会合後の会見で、「SARBはインフレ率が(目標レンジの上限である)6%を超えるとは予測していない」と発言。また、「今回の会合では0.25%を超える幅の利上げは議論されなかった」とし、「インフレ期待を固定して将来の政策金利の動きを緩やかにするためには、段階的な利上げで十分だと考えている」と語りました。

SARBの政策金利発表後、南アフリカランド/が軟調に推移しました。市場はクガニャゴ総裁の発言をハト派的とみなしたようです。

(本日の相場見通し)

本日、米国の21年12月のPCE(個人消費支出)デフレーターが発表されます(日本時間22:30)。FRB(米連邦準備制度理事会)はインフレ指標としてPCEデフレーターを重視しているため、その結果に市場が反応する可能性があります。

前回11月のPCEデフレーターは総合指数が前年比5.7%と1982年7月以来、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は同4.7%と1989年2月以来の高い伸びを記録しました。

今回の市場予想は総合指数が前年比5.8%、コア指数は同4.8%と、いずれも11月から上昇率が加速するとみられています。PCEデフレーターが市場予想を上回る結果になれば、FRBの利上げ観測が一段と高まり、米ドルが堅調に推移しそうです。米ドル/116.319(1/4高値)に向かって上昇する可能性があります。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、当面のコアレンジは?]をご覧ください。

一方で、FRBの利上げ観測が高まること、米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇することは、株価にとってマイナス材料になりうると考えられます。主要国の株価が下落するようなら、リスクオフ(リスク回避)の動きが市場で強まる可能性もあります。リスクオフは円高材料や米ドル高(対円以外)材料です。豪ドル/の目先の下値メドとして、80.241(21/12/20安値)が挙げられます。

ウクライナ情勢には引き続き注意が必要です。ウクライナをめぐる緊張が一段と高まる場合にはリスクオフの動きが強まり、またウクライナと地理的に近いことからユーロが下押しするかもしれません。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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