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ビル・ゲイツ氏めぐる炎上

2020/04/18 05:09

日刊2分でわかるアメリカ

「外出制限の長期化で誰もがおかしくなっている」。在宅勤務が1カ月を超えた妻がつぶやきました。マイクロ・ソフトの共同創業者であるビル・ゲイツ氏の陰謀説がロシアのソーシャル・メディアで炎上。アメリカでもイギリスでも。

確かに大変なことになっていました。「新型コロナウイルスはビル・ゲイツがつくった」「ワクチンで大儲けしようとしている」。フェイスブック、ツイッター、インスタグラム。いずれのソーシャル・メディアでも炎上していました。

ゲイツ氏は2015年の「TED」の講演でパンデミックを警告したことで知られています。「TED」は毎年開催される世界的な講演会。講演の中でゲイツ氏は、「人類の脅威は核兵器ではなくウイルス」と強調しました。「1000万人を超える人が命を落とす。症状がない感染者の移動により、疾病が国境を超えて大流行。世界各国がパンデミックに備えるべきだ」と警鐘を鳴らしました。

新型コロナウイルスの感染拡大を5年前に予言したと話題になり、ゲイツ氏の講演を収録した動画がユーチューブで再び注目を集めました。世界の2600万人が視聴。ソーシャル・メディアで炎上したことは、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズも取り上げました。ゲイツ氏の意向に反して、ワクチン否定派や怪しげな右派団体のメンバーが、大富豪のゲイツ氏が世界の医療システムをコントロールしようとしていると批判したとしています。

ニューヨーク・タイムズによりますと、フェイスブック上でゲイツ氏をめぐる誤った情報が1万6千件投稿され、3月と4月に500万人以上がゲイツ氏を批判した動画を視聴しました。

アメリカのトランプ大統領は、世界保健機関(WHO)が中国寄りだとして、拠出金の支払いを停止すると発表。ゲイツ氏は、「WHOに代わる組織はない」としてトランプ氏の対応を強く批判しました。ファッション誌のヴォ―グは、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策本部はゲイツ氏が率いた方がいいとするコラムを掲載しました。

[April 17, 2020] No 031844375

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