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米株「失われた10年」も、急伸後に急落

2022/05/19 07:22

日刊2分でわかるアメリカ

堅調な小売売上高を背景にアメリカ株式市場は17日の取引で急上昇しました。「底を打った」との楽観的な見方が広がりました。投資家心理は直ぐに悪化しました。コスト増が企業収益を圧迫するとの警戒感から18日の主要株式指数は急反落しました。ダウは一時1200ドル超下落。S&P500とナスダックは4%超急落。ナスダック100の下落率は5%を超えました。大荒れでした。

きっかけはターゲットの四半期決算。食料品から衣料、家電まで幅広い商品をリーズナブルな価格で販売する大手量販店です。2~4月期の売上高は251億7000万ドル(約3兆2400億円)と、アナリスト予想の244億9000万ドルを上回ったものの、利益は予想を大幅に下振れました。1株利益は2ドル19セント、予想は3ドル07セントでした。ターゲットの株価は25%急落しました。

ターゲットのコーネル最高経営責任者(CEO)は、CNBCのインタビューで、「異例のコスト増が圧迫した」と述べました。消費は依然強いものの、燃料費と配送費が大幅上昇したとしています。前日に発表した小売最大手ウォルマートの決算も予想を大幅に下回りました。マクミロンCEOは、「異例の環境を反映した」と弱い決算を説明しました。

アメリカでは昨年から幅広いモノが値上げされました。日本と比べ企業がコスト増を転嫁しているようにみえました。ウォルマートとターゲットの決算で、大幅値上げにもかかわらず、コスト増を相殺できていないことがわかりました。小売り大手2社は非常に慎重な通期見通しを示しました。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、人気のハード・オン・ザ・ストリートのコーナーで、企業の高い利益率を背景に上昇したアメリカの株式相場が「失われた10年」を経験するかもしれないと報じました。著名なバリュー投資家のグランサム氏は、過去100年で4回目の「スーパーバブル」にある株価が半分になる恐れがあると警告したとしています。株式相場は2031年も現在とほぼ同じ水準になる、もしくはベア(弱気)相場にならなくても株価が上昇しない状態になる可能性があると伝えました。

18日の外国為替市場は、株式市場の急落を受けリスク回避ムードが強まりました。逃避の円買い・米ドル買いが再開しました。CNNマネーの恐怖&強欲指数は「極端な恐怖」に6ポイント傾斜。ワシントン・ポストは、全米のガソリン価格が過去最高を更新したと詳しく報じました、

[May 18,2022] No 031844869

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