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アメリカの内憂外患、解決の兆しなし

2022/05/17 07:31

日刊2分でわかるアメリカ

内憂外患。アメリカのバイデン大統領のいまを表現するピッタリの言葉だと思います。

週末にアメリカの病巣が悪化しました。銃乱射事件が連続発生。ニューヨーク州第2位の都市バッファローの黒人が多く住む地域のスーパーで14日、18歳の白人男性が銃を乱射。10人が死亡しました。犯行をほのめかした過去があり、自宅から3時間半かけて事件現場に運転したことなどから、白人至上主義者による計画的なヘイト犯罪だとみられています。翌15日にはカリフォルニア州オレンジカウンティの台湾系教会でアジア系男性が乱射。1人が死亡しました。銃犯罪は増加する一方です。

アメリカ人がいま最も懸念しているのはインフレ。4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.3%と、3月の8.5%から減速したものの実感はない。生活に欠かせないガソリンと食料品は高止まり、生活苦危機に近づいています。サプライチェーン(供給網)混乱と一部商品リコールにより乳幼児向け粉ミルクが全米で極端に不足する事態も発生。怒りの矛先はバイデン大統領に向かっています。

ウクライナにおける戦争への対応は評価されているものの、戦争の行方は不透明。フィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請を正式表明したことで東西の緊張はさらに高まる可能性があります。情報統制されたロシアで、外国がロシア攻撃を計画、プーチン大統領は祖国を守ろうとしていると多くが考えています。ウクライナ軍が反撃に転じましたが、プーチン大統領は劣勢を認めるとは思えない。戦争は長期化するとの見方が増えています。

ファイブサーティエイトがまとめた最新の各社世論調査のバイデン大統領の支持率中央値は41.4%。不支持は52.7%。11月に実施される中間選挙で民主党は大敗、トランプ前大統領が支持する共和党候補が勝利する可能性があります。選挙まで6カ月弱。バイデン大統領は内憂外患の解決に動くことが予想されますが、時間はなくなりつつあります。アメリカの政治がマーケットの新たな不安定要因になるかもしれません。

[May 16,2022] No 031844867

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