松島新の日刊2分でわかるアメリカアメリカがわかる

リスク選好相場、収束か一時的か

2022/05/16 07:22

日刊2分でわかるアメリカ

アメリカ株式市場、特にグロース株の比重が大きいナスダックがけん引した金融市場全体のリスクオフ相場。13日の取引でアメリカ株式相場は大幅上昇。売り込まれたGAFAM(グーグル親会社のアルファベット、アップル、フェイスブック親会社のメタ、アマゾン、マイクロソフト)はいずれも大幅反発しました。外国為替市場は米ドル売り・円売り。リスクに敏感な豪ドルなどが買い戻されました。リセッション(景気後退)警戒で買われた米国債は売られ、米10年物国債の利回りが上昇。米ドルとの連動が崩れた仮想通貨ステーブルコインは値を戻し、ビットコインは3万ドル台に戻しました。

安定に向かうのか。マーケット混乱の中心には、高インフレを背景にした連邦準備理事会(FRB)の利上げペースをめぐる投資家の不安心理がありました。パウエル議長をはじめFRB高官の発言を手掛かりに3倍速の0.75%利上げはないとの見方が強まり、6月15日と7月27日の会合における0.50%ずつの追加利上げが相場に織り込まれました。ロシアのウクライナ侵攻は、東部ドンバスと南部に攻撃を集中する第2段階。第1段階と比べ劇的な展開が少ないこう着状態。長期化する公算が高まりましたが、マーケットの材料からひとまず外れました。

金融市場は一旦落ち着く可能性があるとの見方が少なくなりません。悪材料のほとんどが織り込まれ、ブラックスワンがなければ目先は混乱に繋がる材料はないと指摘されています。方向を決めるのはFRBの政策をめぐる観測とみられ、政策に影響するインフレや雇用の経済データが引き続き注目を集めそうです。

ブルームバーグは、「本物の降伏」のシグナルとするバンク・オブ・アメリカのストラテジストのレポートを引用。極端なリスクオフで、株、債券、マネーマーケットファンド(MMF)の全ての資産から投資家が脱出したとストラテジストは指摘しました。流出した投資家資金がどこまでマーケットに戻るか。今週以降の相場動向に注目したいです。

[May 13,2022] No 031844866

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