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記者が導いたタカ派FRB

2022/01/28 07:24

日刊2分でわかるアメリカ

「経済学位者の関心テーマについて、ジャーナリスト学位を持った人が法律の専門家と一緒に解釈する」。UBSのチーフエコノミスト、ポール・ドノヴァン氏は、連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の記者会見を控えたメモでコメントしました。経済学者ではなく弁護士のパウエル議長にジャーナリストが質問し金融政策の理解を模索する、と皮肉を込めて述べたもの。

26日に公表されたFOMCの声明とパウエル議長の記者会見の冒頭発言にサプライズはなく、米ドル相場、米国債利回り、株式相場は反応薄でした。オンライン会見の質疑応答に移ると状況は一変しました。「次回3月会合での0.5%利上げはあるか」「毎会合ごとに利上げしないのか」との突っ込んだ質問が相次ぎました。パウエル議長はいずれの質問に対しても明言しませんでした。

「FRB議長が積極的な利上げ排除を拒否した」。フィナンシャル・タイムズをはじめ主要メディアは、FRBが非常にタカ派との印象を与える見出しをつけて報じました。ヘッドライン(見出し)を横目でにらんだトレーダーは、米ドル買いを加速、買い進んだ株式を売りました。26日のアメリカの金融市場で起こったことです。

メディアの見出しほどタカ派ではないものの、インフレ抑制のためFRBが金融引き締めを本格化する意向を示したことは間違いありません。声明で「利上げは間もなく適切になる」と3月16日の次回会合で利上げサイクルに入ることを示唆しました。保有資産縮小もしくは量的引き締め(QT)について声明で直接言及しなかったものの、テーパリング(量的緩和の縮小)の終了を示唆しました。

FOMCの結果を受け、ウォール街のエコノミストは相次いで金利見通しを修正。レモンド商務長官は「FRBの利上げでインフレが緩和する」と発言。CMEグループのフェドウォッチが示唆する年内利上げ回数は4回から約6回に変わりました。今後発表される消費者物価指数(CPI)や個人消費支出(PCE)価格指数の注目度が増しました。FRBの金融政策をめぐる動きと観測が米ドルの方向を決め、外国為替市場全体に影響することが予想されます。

[January 27,2022] No 031844791

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