松島新の日刊2分でわかるアメリカアメリカがわかる

ステルスオミクロンのさらに次

2022/01/27 07:21

日刊2分でわかるアメリカ

日本の新型コロナウイルスの新規感染者が全国で7万人を突破。「感染爆発」が先行した南アフリカ、続いた欧米と同じ軌跡をたどっているようにみえます。ニューヨーク・タイムズのまとめでは、南アフリカの10万人あたり新規感染は5人に激減。ピークを越えたイギリスは139人。鈍化傾向が強まったアメリカは194人。日本は39人と依然少ないものの、2週間前との比較は735%増と非常に高い数字になっています。アメリカは15%減。

イギリスのインペリアル・カレッジ・オブ・ロンドンが中心となって実施した大規模な調査で、PCR検査で陽性と判定された参加者の約3分の2は感染歴があることがわかりました。さらに7.5%は「過去に感染した可能性がある」と答えました。99%はオミクロン型変異種で、デルタ型はわずか1%でした。オミクロン型「BA.1」が支配的との幅広い主張を裏付けています。インペリアル・カレッジの研究では、感染者の0.4%は「BA.2」でした。「ステルスオミクロン」とよばれるオミクロン型がさらに変異したウイルスです。

世界保健機関(WHO)は26日の記者会見で、新型コロナウイルスはさらに変異を続け、次の変異種はオミクロン型より感染力が強いとの見解を示しました。問題は致死率だとしています。感染力が強いがさらに軽症になるとの観測があるものの、予断は許さない。既存のワクチンの効果がさらに弱くなる恐れもあります。ファイザーとビオンテックは25日、オミクロン型対応のワクチンの治験を開始、流通するのは早くても4月以降になる見通しです。

金融市場はオミクロン型の猛威を静観しているようにみえます。経済メディアでの扱いは小さくなりました。ただ、感染者が非常に多いため、幅広い分野の企業が働き手不足に直面。サプライチェーン(供給網)は一層混乱しています。「コロナと共存」がテーマになりつつありますが、言葉でいうより簡単ではないかもしれません。連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は26日の記者会見で「経済のたどる道はコロナ次第」と述べました。

[January 26,2022] No 031844790

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