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ボーナス17億円、ウォール街のインフレ

2022/01/24 07:22

日刊2分でわかるアメリカ

アメリカの消費者物価指数(CPI)は前年比7.0%上昇。年初にガソリン価格が落ち着きましたが、最近になり再び上昇しました。洗剤をはじめとする消費財の大手メーカーP&Gは値上げを続ける方針、大手食品メーカーは1月に追加値上げしました。アメリカと兄弟のような関係にあるイギリスは30年ぶり高インフレ。公共料金は4月から50%上がるそうです。アメリカもイギリスも消費者の生活は物価上昇に大きく圧迫されていて、怒りが政治に向かっています。

ウォール街で働く人は生活における物価上昇の脅威を感じていないかもしれません。賃金がインフレ率を上回るペースで上昇するから。金融大手のゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースは21日までにバンカーやトレーダーに報酬パッケージを提示したそうです。CNBCによりますと、ゴールドマンの投資銀行部門の報酬は前年比で40~50%増えました。ライバルのJPモルガンは30~40%増。

ゴールマンの投資銀行のテクノロジーとヘルスケアを専門とする部門のパートナーの年収は1200~1500万ドル(約17億円)。パートナーより1ランク低いマネージング・ディレクターの年間報酬は500万~700万ドル(約8億円)でした。ボーナスは含まれておらず、実際にはさらに高い報酬が支払われたようです。

ゴールドマンの2021年の人件費は前年比33%増の177億ドル(約1兆5000億円)。従業員数4万3900人、1人あたり年収は40万3621ドル(約4600万円)になります。JPモルガンの法人部門と投資銀行部門の人件費は前年比13%増加。1人あたり年収は19万3882ドル(約2200万円)。ゴールドマンの半分以下ですが従業員数は6万7546人と多く、幅広い職務があります。アメリカ全体の平均より大幅に高い水準であることに変わりありません。

ウォール街の報酬インフレの背景は人材不足です。優秀な人材を確保するため、高額報酬でつなぎとめる戦略。一部の人材は急成長する暗号資産やフィンテック業界に流出、理系人材はEVやメタバース業界に流れているとみられています。

[January 21,2022] No 031844787

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