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売られた米ドル、FRB利上げ観測も

2022/01/14 07:30

日刊2分でわかるアメリカ

アメリカ労働省が13日発表した12月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比9.7%上昇。前日発表の消費者物価指数(CPI)は前年比7.0%上昇。いずれもピークが近づいていることを示唆する統計でしたが、歴史的な高インフレをあらためて意識させました。

ウェルズ・ファーゴは、連邦準備理事会(FRB)が今年4回利上げするとの予想を発表しました。JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスに続くもので、3月開始と年内4回利上げがウォール街のコンセンサスになりました。セントルイス地区連銀のブラード総裁をはじめFRB高官は今年少なくとも3回もしくは4回の利上げを想定していると相次いで発言。FRB副議長に指名されたブレイナード理事は「インフレ対策が最重要」と述べました。

FRBのタカ派スタンスが明確にもかかわらず米国債の利回りは低下基調。金利先高感で米国債利回りが上昇すると世界の機関投資家が米国債を購入する傾向があります。結果として上昇した利回りが一時低下することが過去の利上げ局面でもありました。米ドル売りの手掛かりの1つ。米ドル/円は116円台前半から114円台ちょうど近辺まで下落しました。米ドル売りの背景は他にもありそう。

投資家のポジション調整も米ドル下落に寄与したと指摘されました。FRBが引き締めに転じるとの観測を背景に、投資家は去年5月ごろから米ドルのロング(買い)ポジションを増やしました。年末までに非常に高い水準に積み上がりました。高インフレは相場に織り込まれ、ロング・ポジションを軽くする動きが米ドル安を招きました。

ブルームバーグは、1カ月前は米ドルのポジションが2015年以降で最もブル(強気)だったが、米ドル相場はピークとの見方が広がったと報じました。ブランディワインの運用者は、豪ドルとチリ・ペソに対して米ドルをショート(売り)にしたとしています。長期的に米ドルが上昇するとの見方は依然優勢。短期的には違う地合いが強まる可能性がありそうです。

[January 13,2022] No 031844782

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