松島新の日刊2分でわかるアメリカアメリカがわかる

外為の変動が大きくなる兆し

2022/01/13 07:24

日刊2分でわかるアメリカ

アメリカ労働省が12日発表した12月消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.0%上昇。11月統計の6.8%から加速しました。1982年以来の高い伸び。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比5.5%上昇しました。1991年以来の伸びでした。歴史的な高インフレにもかかわらず、株式市場は買いで反応。長期金利の指標である米10年物国債の利回りは低下。外国為替市場では米ドルが売られ、リスクに敏感な通貨が買われました。

市場が高インフレをほぼ織り込んでいたことが背景の1つにあげられます。年初から金利に敏感なテクノロジー株は大幅下落。米国債利回りは上昇。米ドル高基調が続きました。予想中央値と統計が一致したことも安心感につながりました。一部の市場関係者は予想以上のインフレ加速が示されると恐れていました。インフレがピークに近づいた兆候もリスク選好ムードを招きました。エネルギー指数は11月と比べ0.4%低下、肉の価格が下がり食品価格が落ち着く兆しがあります。日常生活でもピークが近いことを感じます。ガソリン価格が下がり始めました。スーパーマーケットでは幅広い商品の特売。コロナ前水準を大幅に下回っているものの、近所の新車ディーラーの在庫が大幅に増えました。

問題は連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標2%まで下がるか。ピークアウトするものの、高水準で推移するとの見方が優勢です。ウォール街は、3月にFRBが利上げサイクルに入り、年内に4回程度の利上げがあると予想しています。イングランド銀行、カナダ銀行、オーストラリア準備銀行もFRBと前後して利上げに動くとみられています。金融引き締めに慎重なユーロ圏や日本との政策の方向の違いが広がりそう。

ブルームバーグによりますと、モルガン・スタンレーとBNPパリバは、世界の中央銀行の政策の乖離に伴い、外国為替市場のボラティリティが高まると予想しました。G10通貨の安定が崩れ、為替市場の変動が大きくなるとみています。

[January 12,2022] No 031844781

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