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現代版プラザ合意あるか、米ドル独歩高

2022/05/20 07:21

日刊2分でわかるアメリカ

アメリカ株式相場は依然不安定。ナスダック100は前日5%超下落しました。高リスクとされる仮想通貨ビットコインにより振れ幅が大きいという異例の事態。外国為替市場でも主要通貨が2%超動く日が増えました。投資家の不安心理を反映しています。少し前までは連邦準備理事会(FRB)が利上げ幅を3倍速の0.75%に拡大するとの警戒感が相場を動かしましたが、いまは世界的なリセッション(景気後退)リスクが意識されています。

「有事のドル買い」という言葉があります。戦争や予期せぬ大惨事などの際に逃避で米ドルが買われることを指します。新型コロナウイルス、ウクライナにおける戦争、歴史的高インフレ。いまは有事といえます。主要6通貨に対する米ドルの動きを示すドル指数(DXY)は2日連続で低下したものの、米ドルの需要根強く米ドル高基調は続くとの見方が優勢です。DXYは年初から7%超高い水準にあり、1年前と比べると15%近く上昇しています。

ブルームバーグに興味深い記事がありました。高インフレ、FRBの積極利上げ、米ドル高騰という環境は1985年のプラザ合意前の状況に類似していると伝えました。アメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ、日本のG5が協調介入により米ドル高是正で合意したもの。直ぐに協調介入があると予想されておらず、米ドル高は輸入物価を押し下げるためアメリカの合意が鍵になると指摘。それでもアメリカ以外の国が通貨安の影響を受けていることから、協調介入への期待があるとしています。

CNBCは、米ドルは一段高になり、ユーロ/米ドルがパリティ(1対1)になるとの見方があると報じました。欧州中央銀行(ECB)は19日公表した理事会議事録で7月にも利上げに動く可能性を示唆しました。利上げサイクルに動いてもFRBの利上げペースを下回ると予想されています。JPモルガン・プライベートバンクのストラテジストは、ユーロ圏の経済成長見通しが下方修正されれば、パリティはありうるとコメント。一方で、ドイツ銀行のアナリストは、米ドルは高すぎると指摘し、ユーロの対米ドル相場は1.10の方向に上昇すると予想。見方がわかれています。

株式市場で超悲観論と「底が近い」という楽観論が混在。外国為替市場では米ドル高をめぐる議論が活発化していますが、コンセンサスはありません。個人投資家もプロの投資家も相場の方向に確信をもっていないようにみえます。

[May 19,2022] No 031844870

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