松島新の日刊2分でわかるアメリカアメリカがわかる

NY原油100ドル時代の通貨

2021/10/19 07:20

日刊2分でわかるアメリカ

原油の上昇が止まりません。ニューヨークの18日の取引で原油の指標であるWTI11月物は一時1バレル83ドル台に上昇。ヨーロッパの指標であるロンドンの北海ブレントは一時85ドル台に乗せました。

原油高の主な理由は、新型コロナウイルスのパンデミックに関連した規制が緩和され経済活動が回復しつつあることがあげられます。北半球の季節が秋から冬に変わり、需要が高まるとの見通しも寄与。アメリカ政府の増産拡大要請にもかかわらず、石油輸出国機構(OPEC)にロシアなど非加盟国を加えたOPECプラスが一層の増産に慎重なことも原油押上げ要因になっています。

ゴールドマン・サックスをはじめウォール街の複数のアナリストは原油相場が一段高になると予想。ウォール・ストリート・ジャーナルは週末、商品トレーダーがアメリカのWTIが12月にも1バレル100ドル以上に上昇することを想定した取引をしていると報じました。北海ブレントに関しては、1バレル200ドルを想定するトレーダーも一部いるとしています。

原油上昇を反映し、カリフォルニア州のガソリンはリッター換算で150円に上がりました。日本と比べ安いように思えますが、アメリカは産油国であり原油輸出国。20年前はリッター50円程度でした。クルマ社会のアメリカの個人消費を圧迫。企業のコストが上がり、インフレへの懸念がさらに広がるとみられます。

外国為替市場で、資源国通貨と資源輸入国の通貨の選別が進んでいます。原油、天然ガス、石炭などの燃料を輸出するカナダ、オーストラリア、メキシコ、ロシア、ノルウェーなどの通貨が堅調な一方、燃料を輸入に依存する日本やトルコの通貨が軟調です。金融政策の方向と合わせ、エネルギー価格が当面の市場のテーマになりそうです。

[OCTOBER 18,2021] No 031844720

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