市場調査部レポート

ジャクソンホールに注目!

2017/08/18 10:40

<お知らせ>
来週25日はウィークリー・アウトルックをお届けします。マンスリー・アウトルックは9月1日に配信します。

【相場環境】ジャクソンホールに注目!
【全体観・米ドル】日柄分析と重要変化日予測について
【ユーロ】ユーロ/米ドル、典型的な上昇トレンド形状を示現
【豪ドル】リスク意識の変化に反応しやすい地合いになりそう
【トルコリラ】トルコリラ/円は200日MAが上値抵抗線に!?
【南アフリカランド】中銀の独立性維持!?


【相場環境】 ジャクソンホールに注目!

16日に公表された米FOMC議事録(7月25-26日開催分)によれば、参加者は総じて、B/S(バランスシート)の縮小を「比較的早い段階で」開始するのが望ましいと考えました。次回、9月19-20日のFOMCでB/Sの縮小計画が発表される可能性が高そうです(実際の開始は10月から?)。

一方で、今後の利上げのタイミングとペースについては、参加者の意見が分かれました。物価の判断に大きな違いがあったからです。低インフレと低失業率が共存することについて、構造要因も含めて詳細な議論があったようです。結果的には、インフレの下振れを懸念して次の利上げまで忍耐強く待つことができると考えるグループと、利上げを遅らせるとインフレを抑制するのが難しくなると考えるグループにハッキリと別れました。

多くのFOMC参加者が、足元のインフレの下振れは、今年に入ってからの携帯通話料金や処方薬価格の大幅な下落という特殊かつ一時的な要因に基づくものと指摘しました。ただ、そうであっても、その影響は今年いっぱい続きうるとのことでした(インフレ率を前年比でみるのが一般的であるため)。

また、トランプ大統領の公約である減税やインフラ投資が年内に実現する可能性が低下しており、仮に実現しても規模が小さくなりそうだとの指摘もありました。

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FOMC議事録の内容を踏まえると、年内に次の利上げが実施されるかはかなり微妙と言えそうです。17日時点で、FFレート(政策金利)先物が織り込む「年内据え置き」の確率は58%であり、「年内利上げ」の確率(42%)を大きく上回っています。

一方で、同じFFレート先物によれば、今から2018年末までをみて、「据え置き」の確率が22%、「利上げ1回」の確率が37%、合わせて59%です。言い換えれば、今から2018年末までに「2回以上の利上げ」の確率は41%しか織り込まれていません。市場はかなり「ハト」に傾いていると言えそうです。労働市場のひっ迫が続くなかで、賃金や物価の伸びに加速の兆候がみえれば、そうした見方は大きく変わる(=米ドルのサポート要因となる)可能性があります。

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来週は、米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティ連銀の年次シンポジウム(24-26日)に注目です。25日にイエレンFRB議長が「金融の安定」について講演します。
FRB関係者だけでなく、多くの総裁を含めて世界中から中央銀行関係者が参集します。ドラギECB総裁はジャクソンホールで金融政策に関してコメントしないとの報道があるなど、主要人物が明確な形で金融政策の方針を発信するとは限りません。ただ、メディアのカバレッジも厚く、中央銀行関係者による公式・非公式の発言が相場材料になる可能性はあります。注意は怠れません。

その他、19日に米・メキシコ・カナダの通商代表がNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉が正式スタート(20日まで)。20日にTPP参加11か国の閣僚会合がスタート(30日まで)。さらに21日に米韓合同軍事演習が始まります(2週間程度?)。<チーフエコノミスト 西田明弘>


【全体観・米ドル】 日柄分析と重要変化日予測について

本邦市場では、市場参加者のお盆休みもそろそろ終わり、この週末から徐々に戦線復帰し、21日から本格稼働という個人投資家や機関投資家も多いのではないでしょうか。(18日執筆時点)

その21日の週の週末には、ジャクソンホール会合(24-26日)が予定されており、当会合で講演予定となっているイエレン米FRB議長の口から、今後の金融政策に関するヒントや示唆があるのかどうかが喫緊のポイントとなりそうです。(※9月米FOMCは9/19-20日開催予定。)

そんな中、これからの時間帯において意識したいのが・・・<日柄分析>。日柄(ひがら)とは、マーケットでは主に「日数(ひかず)」を表し、縦軸の「レート」に対して、横軸の「変化(予想)日」などに焦点を当て、相場の転換点(日)予測をすることを「日柄分析」と呼びます。

その日柄分析について、相場の「アナロジー」(類似性、類推)「傾向/パターン」、ないしは「規則性/法則性」とともに、先週の当レポートでも紹介した、アストロロジー分析(金融占星学)も使いながら見ていきたいと思います。以下、米ドル/円・日足チャート[4/3-8/17]と、日柄計算を合わせた図をご覧ください。

上図チャートからまず類推できることは、4/3以降の米ドル/円・日足チャートにおいては、偶数月(4月、6月、8月)の月中に下値を付けやすく、また「下降トレンド→上昇トレンド」への転換点(日)となっていることが見て取れます。

また同様に、上記チャートでは、奇数月(5月、7月)の11日に上値を付けやすく、また「上昇トレンド→下降トレンド」への転換点(日)となっているというアナロジー(類似性)やパターン、規則性が確認できます。つまり、これらの日柄分析(パターン分析)に従えば、米ドル/円は、この先9月10日前後に再度高値トライ(114円台)をするのでは?との仮説を立てることができます。

また、同期間[4/3-8/17]における上昇トレンド期間と下降トレンド期間をそれぞれ見てみると、4/17-5/11までの上昇期間が18日間(※)、5/11-6/14までの下降期間が24日間、6/14-7/11までの上昇期間が19日間、そして、7/11-8/11までの下降期間が23日間となっています。(※日にちは営業日換算としています。)

このパターンに従えば、仮に8/11を当面の下値とした場合、次の米ドル/円の高値となり得る予測日は、同日から18-19日を加えた9/6-7前後となることが仮定できます。

一方で、上記チャートにアストロロジー分析の一つの素材である「満月」のポイントを加えてみても、同じようなアナロジー(類似性)やパターン、規則性を確認することができます。以下、米ドル/円・日足チャート[4/3-8/17]と満月※についてご覧ください。(※黄色丸印の日付が満月の日。満月が土日の場合は、翌営業日を対象としています。)

上図チャートから類推できることは、満月となった日の前後5営業日以内に、米ドル/円のトレンド転換となる【重要変化日】が存在するということ。つまり、あくまで類推、パターン分析の上での仮説となるものの、満月は米ドル/円の重要変化日の一つのメルクマールと捉えてもよさそうです。

次回9月の満月は9/6ということから、先述した日柄計算から勘案した米ドル/円の高値予測日(9/6-7)とのアナロジー(類似性)は単なる偶然の一致なのでしょうか。もしくは、必然的な数字と言う方が正しい表現なのでしょうか。ちなみに、9/6は、水星逆行現象[8/13-9/5]が終了した翌日であるということ、さらに、北朝鮮の建国記念日である9/9が一部メディアでは【(米軍による空爆)Xデー】とも騒がれており、また、昨年の同日に北朝鮮が核実験を行ったという「事実」があることからも、日柄分析上の【重要日】と捉えた方がいいのかもしれません。

あくまで、日柄分析とともに、アストロロジー分析を組み合わせた“仮説”“類推”であるとの認識の下で頭の片隅に入れていただければ幸いです。<チーフアナリスト 津田隆光>


【ユーロ】 ユーロ/米ドル、典型的な上昇トレンド形状を示現

以下、ユーロ/米ドル・週足・スパンモデル®+21週ボリンジャーバンド+パラボリック+DMIをご覧ください。

上記週足チャートのメルクマール(指標)を確認していくと、1) 21週MA(21週移動平均線)が上向きであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方に位置していること、3) ローソク足の下方に青い雲(=“買い”の雲)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして、4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIの乖離がさらに拡大する動きとなっていること(上図赤丸印)から、ユーロ/米ドルは、典型的な上昇トレンド形状となっていることが見て取れます。

また、ローソク足が+1σラインと+2σラインの間のゾーンを推移する【上昇バンドウォーク】が示現していること、そして、ボリンジャーバンド・±2σラインが21週MAに対して拡張(エクスパンション)する動きとなっていることから、ユーロ/米ドルの上昇モメンタムがさらに強まる可能性もありそうです。

週足レベルにおけるユーロ/米ドルの下値メドは、ボリンジャーバンド・+1σラインおよびSAR(1.1600ドル)、上値メドは+2σライン(1.2000ドル)との想定。

上図チャートから勘案すると、下値メド・上値メドともに、時間的経過とともに徐々に切り上がる展開となりそうです。<津田>


【豪ドル】 リスク意識の変化に反応しやすい地合いになりそう

RBAは高水準の家計債務を懸念
15日、RBAは8月1日の政策会合の議事録を公表しました。会合では、政策金利を1.50%に据え置くことが決まりました。

議事録では、RBAが高水準の家計債務を懸念していることが判明しました。豪州の家計債務は可処分所得の約190%に達し、過去最高水準にあります。

政策メンバーは、シドニーやメルボルンの住宅価格の上昇が一部鈍化したとしつつも、住宅ローンは依然として所得の伸びを上回っていると指摘。「住宅市場の状況と家計債務を注意深く監視する必要がある」との見方を示しました。

そのうえで、低インフレ環境下で高水準の家計債務に伴うリスクとのバランスをとる必要があることから、政策金利を据え置くとの判断を下したことが明らかになりました。

RBAは7月まで、住宅市場と軟調な労働市場を注視する姿勢を示してきました。今回の議事録では、賃金の伸びが依然として鈍いとしながらも、労働市場の状況が改善するにつれて徐々に加速すると予想。最近の力強い雇用の伸びや最低賃金の上昇が、収入と消費を支援する可能性があるとの見解が示されました。議事録を見る限り、RBAは労働市場に対する警戒感を弱めつつあるようです。

RBA総裁が次の一手は利上げであることを示唆、ただし利上げはまだ先か
RBA(豪中銀)のロウ総裁は8月11日の議会証言で、「次の金利変更は引き下げではなく引き上げになるとの見方は理にかなっている」と語る一方、「(利上げは)しばらく先になる」と述べ、政策金利を当面据え置く可能性を示しました。

8月16日に発表された、豪州の4-6月期賃金価格指数は前年比+1.9%と、1-3月期に続いて過去最低の伸びを記録しました。RBAは賃金の伸びの鈍さを繰り返し指摘しています。8月1日の声明で、賃金の伸び鈍化や高水準の家計債務が、消費の伸びを抑制する可能性があるとの見方を示しました。賃金価格指数で賃金の伸びが依然として鈍いことが確認されたことで、RBAが利上げを急ぐ必要性は低く、政策金利の据え置きが続く可能性が高いことを改めて示したと言えそうです。

豪ドルはリスク意識の変化に敏感に反映しやすい地合いか
来週(8月21日の週)は、豪州の主要経済指標発表が予定されていません。独自材料が乏しいこともあり、豪ドルは、米政局や北朝鮮に関する報道、主要国の株価動向により影響を受けやすいとみられます。株価が下落するなどして市場のリスク回避姿勢が強まれば、豪ドルには下押し圧力が加わりやすいと考えられます。<シニアアナリスト 八代和也>


【トルコリラ】 トルコリラ/円は200日MAが上値抵抗線に!?

足もとのトルコリラ/円は、リスク意識の変化に敏感に反応しやすい地合いです。今月初めに30円台半ばに下落した背景には、北朝鮮情勢の緊迫化への懸念があり、その後の31円台半ばへの反発は北朝鮮情勢への懸念が後退したことがけん引しました。

北朝鮮がグアム島周辺へのミサイル攻撃をいったん見送ったことで、市場では北朝鮮情勢への懸念が和らぎつつあるようにみえます。ただし、北朝鮮の核やミサイル開発の問題は解決されておらず、引き続き注意する必要があります。また、スペインでのテロもあって米国の主要株価指数が17日に大幅安となりました。主要国の株価動向にも気を付ける必要があるでしょう。

株安などによってリスク回避姿勢が強まれば、トルコリラ/円には下押し圧力が加わりやすいとみられます。反対にリスク回避姿勢が後退すれば、トルコリラ/円は上昇しやすいとみられます。

トルコリラ/円の日足チャートをみると、200日移動平均線(MA)付近で反落する展開が続いており、同MAが上値抵抗線として機能していることが確認できます。200日MAをNY終値水準で明確に超えれば、今年5月以降、何度も反落してきた水準である32円近辺に向けて一段と上昇する可能性があります。一方、200日MAを下回る限り、トルコリラ/円は上値が重い展開が予想されます。200日MAは8月17日時点で31.35円に位置します。<八代>

トルコリラ/円(日足、2017/4/3-)

出所:M2JFXチャート


【南アフリカランド】 中銀の独立性維持!?

南アフリカの裁判所が8月15日、同国の護民官(オンブズマン)によるSARB(南アフリカ中銀)の責務変更の提案を退けました。

SARBは、「物価安定と通貨(=南アフリカランド)の価値を守る」ことを責務としています。護民官は6月、SARBの責務を「均衡の取れた持続的な経済成長を促す」へと変更することを求めていました。

ズマ大統領の不信任案は、8月8日に僅差で否決されたものの、南アフリカの政局不安は依然として残っています。また、与党ANC(アフリカ民族会議)政策会議が7月にSARBの完全国有化を提案したことで、市場ではSARBの独立性をめぐる懸念が根強くあります。

ただ、裁判所が護民官の提案を退けたことで、ランドにとってマイナス材料のひとつが無くなったとも考えられます。南アフリカの政局関連のニュースは突発的に出てくることも多く、引き続き注意が必要なものの、ランドへの下押し圧力は和らぐ可能性があります。<八代>


(続きはPDFでご覧ください。)
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