今週はこう動く! マーケット羅針盤

2019/05/13 08:52今週の注目通貨(米ドル/円)

◆要約◆
・米中などの政策が主導した年明け以降の株価反発は転換点を迎え、そんな株安を米中貿易交渉の悪化が加速させたというのが基本的な構図か。
・そうであれば、年明け以降の株反発に後押しされた米ドル/円反発局面も終了。過去の似た値動き、「チャイナ・ショック」を参考にすると108円割れへ向かう局面入りの可能性?!


◆米ドル/円はレンジ下放れが始まったのか?

日本のゴールデンウィーク(GW)明けとなった先週、米ドル/円は長く続いてきた110-112円中心のレンジ相場を割り込み始めました≪資料1参照≫。ではこれは、一段の米ドル安・円高の始まりなのかについて、今回は考えてみたいと思います。

≪資料1=米ドル/円の日足チャートの推移 (2019年1月-)≫
 
(出所;M2チャート)

この米ドル安・円高のきっかけになったのは、株の一段安でしょう。このところやはり方向感のはっきりしない小動きが続いてきた株価でしたが、今週に入り一段安に向かいました≪資料2参照≫。そう言った中で米ドル/円も一段安となったわけです。そして、その株安拡大のきっかけになったのは、米中貿易交渉の悪化という理解が基本でしょう。

ただ米中交渉の一方の主役である中国の株価は、じつはGW前の4月下旬から下落に向かい始めていました≪資料3参照≫。では、なぜ中国の株価は4月下旬から下落に向かい出したのか。

≪資料2=過去1カ月のNYダウの推移 (2019年4月-)≫
 
(出所;Bloomberg)

≪資料3=過去半年の上海総合指数の推移 (2018年12月-)≫
 
(出所;Bloomberg)

4月中旬にOECDなどは、中国に対して「債務水準を管理する取り組みが損なわれ、中期的には構造的なゆがみがさらに増す可能性」といった表現で、さらなる財政発動をけん制しました。こういった中で、景気刺激策の強化を受けた年明け以降の中国株の反発が変化を始めたということではないでしょうか。

年明け以降の政策が主導した株価の反発は、米国においても同様だったでしょう。1月4日のパウエルFRB議長のハト派姿勢への転換示唆から株価は急反騰となりました。そして、1月30日FOMCが年内の利上げ見送りを示唆すると、株価はやはり大幅高となりました。

ただその後は、3、5月のFOMCに対しては、株価はともに下落しました。このようなFOMCに対する株価の反応を見ていても、政策主導の株高は転換点を迎えていた可能性があったのではないでしょうか。その意味では、米中貿易交渉の悪化は、そんな株安へ転換した流れを加速させる役割だったと考えるのが基本ではないでしょうか。

新年早々、米ドル/円は「アップル・ショック」と呼ばれた暴落に見舞われました。ただその後は112円程度まで反発傾向が続きましたが、それを後押ししたのは米中を筆頭とした世界的な株価の反発でした。そんな株価の反発がこれまで見てきたように終わり、株安リスクが再燃しているなら、米ドル/円も下落リスクが注目されるのではないでしょうか。

ちなみに、私は「アップル・ショック」前後の米ドル/円は、2015年8月「チャイナ・ショック」前後の値動きに似ているとして注目してきました≪資料4参照≫。この類似した関係がこの先も続くなら、米ドル/円はまさに108円割れに向かう、新たな下落局面を迎えている可能性がありますが、果たしてどうか?(了)

≪資料4≫
 
(出所;リフィニティブより作成)

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