今週はこう動く! マーケット羅針盤

2019/01/07 10:072019年の米ドル/円を予想する

◆要約◆
・米ドル/円は、2018年10月114円から米ドル安・円高トレンドに転換した可能性。きっかけは、9年間の米株高が終わり、株安へ転換したこと。
・リスクオフに伴う円高トレンドへの転換なら、投資戦略で重要なのは円、米ドル、ユーロなど3大通貨買い。経験的に、米ドル安・円高トレンドは2019年中続く可能性。


◆米ドル/円「1・3暴落」の示唆


 あけましておめでとうございます。2019年もよろしくお願いします。

 2019年は、1月3日に米ドル/円が一日で4円以上も暴落するといった具合に、まさに波乱の幕開けとなりました。今回はそんな2019年の米ドル/円、年間予想について述べてみたいと思います。

 上述のように、1月3日の米ドル/円は大暴落の後、大きく反発し、結果的に長い「下ヒゲ」を残すところとなりました。米ドル/円の週足チャートで見ても、2015年以降では2015年8月、2016年6月などと並ぶ長い下ヒゲとなったわけです≪資料1参照≫

≪資料1=米ドル/円の週足チャート (2017年2月-)≫
 
(出所:M2JFXチャート)

 経験的にこのような米ドル/円の長い「下ヒゲ」出現は、米ドル安・円高トレンドの始まりか、あるいは終わりに起こりやすいものです。上述の例では、2015年8月は、米ドル安・円高トレンドの初期段階であり、2016年6月は最終局面でした。

 今回の場合、上述の「1・3暴落」で、米ドル/円は足元で110.5円程度の52週MA(移動平均線)を大きく下回り始めました≪資料2参照≫。このように米ドル/円が52週MAを大きく下回る動きは、経験的には一時的ではなく、米ドル安・円高がトレンドとして展開している可能性が高いことを示しています。

≪資料2=米ドル/円と52週MA(2000年-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

 以上のように見ると、米ドル/円は昨年10月の114円から米ドル安・円高トレンドに転換し、それを再確認したのが上述の「1・3暴落」だった可能性が高いのではないでしょうか。

 経験的には、長い「下ヒゲ」を消化し、米ドルが安値を更新するまでに、たとえば半年程度といった具合に結構長い時間がかかる可能性はありますが、今年は「1・3暴落」の米ドル安値、104円を割り込む米ドル安・円高がさらに起こる可能性が高いのではないでしょうか。

◆米ドル安・円高の基本シナリオ

 それにしても、昨年10月の114円から米ドル安・円高トレンドへ転換したなら、そのきっかけは何か。それはやはり株安トレンドへの転換だったのではないでしょうか。

 たとえば、NYダウは最近にかけて52週MAを一時は1割以上といった具合に大きく割り込みました≪資料3参照≫。これは、2009年3月から続いてきたNYダウ上昇トレンドでは見られなかった値動きでした。その意味では、NYダウが昨年10月でついに上昇トレンドが終了、下落トレンドに転換し、それが米ドル安・円高トレンドへの転換の主因だったということではないでしょうか。

≪資料3=NYダウと52週MA(2000年-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

 以上のように、米ドル安・円高へのトレンドの転換が、株高から株安、つまりリスクオンからリスクオフへの転換が主因なら、投資戦略的に重要なテーマは、円、米ドル、ユーロといった3大通貨が選好されやすいということではないでしょうか。

 米ドル安・円高トレンドは、経験的には少なくとも1年以上は続く可能性が高いといえます。その意味では、2018年10月114円から始まった米ドル安・円高は2019年一杯続く可能性が高そうです。

 ではその中で米ドル安・円高はいくらまで進むのか。このところ米ドル/円は日米生産者物価で計算した購買力を大きく下回らない程度の米ドル安・円高にとどまる傾向となっています≪資料4参照≫。2016年6月、Brexit(英国のEU離脱)の円高もまさにそうでした。

 そんな生産者物価の購買力平価は足元で95円程度。これを参考にしたら、2019年中展開する可能性のある米ドル安・円高ではありますが、100円を大きく下回らない程度にとどまる可能性が高いのではないでしょうか。(了)

≪資料4=米ドル/円と購買力平価 (1990年-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

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