2018/05/28 09:26今週の注目通貨(米ドル/円)=米ドル続伸終了で108円前後へ?!それともまだ米ドル高終わらず?!今週の動きに注目
◆要約◆
・経験的には、記録的な米ドル続伸相場終了後は半値戻しないし3分の1戻しに向かうのが基本だった。今回に当てはめると108円前後への米ドル反落見通しになる。
・「アベクロ円安」は12週で米ドル陽線が一息ついたものの、翌週に早速米ドル高値を更新、米ドル続伸相場は再開となった。その意味では今週の動きは注目。
◆米ドル続伸相場の特徴を考察
米ドル/円は先週、111円から109円へ急反落となりました≪資料1参照≫。これを受けて、米ドル/円の週足チャートも、先週は3月下旬以来の大幅な米ドル陰線となりました≪資料2参照≫。
≪資料1=米ドル/円の日足チャート(2018年4月-)≫
(出所:M2JFXチャート)
≪資料2=米ドル/円の週足チャート(2018年1月-)≫
(出所:M2JFXチャート)
米ドル/円は約2ヶ月間、比較的長く米ドル高・円安が続いていたのですが、それが一息ついたわけです。では、2ヶ月といった具合に、長く米ドル高・円安が続いた後には、どんな展開になるのかについて、今回は考えてみたいと思います。
一気に米ドル高・円安が進んだのは、近年においては2016年の「トランプ・ラリー」、2014年の「黒田バズーカ」、2012年の「アベノミクス」などがありました。これを米ドル/円の週足チャートで調べると、米ドル週足陽線連続記録の最長は、やはりアベノミクス円安で、何と12週連続の米ドル陽線・円陰線だったのです≪資料3参照≫。
≪資料3≫
(出所:各種資料より作成)
そんなアベノミクス円安も含めて、米ドル/円の週足チャートで米ドル陽線が2ヶ月近くも続いたのは、4例ほどありました。では、一気に進んだ米ドル高・円安が一服した後は、どんな展開になったのか。
さすがに、一本調子で展開した米ドル高・円安が一巡した後は、その反動が比較的大きく、具体的にはそれまでの上昇分から「半値戻し」、「3分の1戻し」となりました≪資料3参照≫。
では、これを今回に当てはめると、先週の111円で米ドル高が一巡していたなら、仮に半値戻し、3/1戻しとして、この先は少なくとも108円前後までの米ドル反落の可能性があるといった見通しになりますが、果たしてどうか?
米ドル/円の週足米ドル陽線連続が2ヶ月程度で一巡することなく、すぐに一段の米ドル高・円安に向かったのが2013年前半のことでした≪資料4参照≫。結果的に見ると、それは、2013年4月の黒田バズーカ1といった新たな円安イベントの先取りでした。
2012年11月からの米ドル週足陽線連続記録は、2013年1月、12週連続で一息ついたものの、週足米ドル陰線は1週だけで、翌週すぐに米ドル高値を更新、米ドル続伸相場が再開すると、4月の黒田緩和を受けて米ドル高は新たに加速するところとなったのです。
このアベノミクス円安と黒田円安が合体した記録的な米ドル高・円安相場は「アベクロ円安」とも呼ばれますが、トータルの上昇率は30%にも達し、その後の米ドル反落は上昇率の約3分の1、10%弱となりました。
以上、今回は米ドル続伸相場の特徴について考察してみました。3月から続いてきた今回の米ドル続伸相場が終了したのか否か、それを見極める上で今週の動きは重要な意味があるかもしれません。(了)
≪資料4=アベクロ円安の米ドル/円週足チャート (2012-2013年)≫
(出所:M2JFXチャート)
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